Wednesday, February 12, 2020

国際宇宙ステーションでチェルノブイリの放射能を食べる真菌の実験 - Sputnik 日本

国際宇宙ステーション
© 写真 : ESA/Luca Parmitano

国際宇宙ステーションでは真菌クリプトコッカス・ネオフォルマンスを使用した実験が行われている。クリプトコッカス・ネオフォルマンスは放射能を食べ、それをエネルギーに変える力がある。科学雑誌「ポピュラーメカニックス」誌が実験を紹介している。

記事によると、クリプトコッカス・ネオフォルマンスという真菌は学術界ではクリプトコッカス症を引き起こす因子としてよく知られる。このクリプトコッカス・ネオフォルマンスのコロニーが1991年、チェルノブイリ原発で核爆発を引き起こした第4号炉の壁から発見された。放射能はこの真菌を殺傷しなかったどころか、これによって真菌はさらにパワーアップされていた。

2007年、この調査結果は国際学会で発表され、クリプトコッカス・ネオフォルマンスの中にあるメラニンが放射能を飲み込んでいただけでなく、植物が二酸化炭素を吸収し、光合成によって酸素を放出すると同様、化学的なエネルギーに変えていたことがわかった。原発の実条件は自然界より500倍多い放射能があらゆる生命体を殺傷する場所だ。その条件下で、科学者らはクリプトコッカス・ネオフォルマンスがイオン化放射線照射を受ける中で代謝速度を上げる現象を観察してきた。

2019年11月、米ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者らはクリプトコッカス・ネオフォルマンスから採取されたメラニンが宇宙でどういった力を発揮するかを調べるため、これを国際宇宙ステーションに送り込んだ。実験が結果を結んだ場合、クリプトコッカス・ネオフォルマンスには地球、宇宙の別を問わず、人類を放射能から守る力があると期待がもてる。これはその昔、真菌のぺニシリウム・ノタトゥムが抗生物質のペニシリンの誕生に貢献したのと同じだ。実験の結果は数か月後にも明らかになる。

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