Saturday, February 22, 2020

なぜ「よく噛んで食べる」といいのか?歯科医に聞くたくさん噛めるようになるコツ - @DIME

「30回以上、よく噛みなさい」。よく耳にする言葉だが、そういわれても、30回も噛んでいられない忙しいビジネスパーソンは多いのではないだろうか。

しかし、よく噛むことは肥満予防や生活習慣病予防、虫歯予防にもなるといわれることから、健康長寿のためにもぜひ習慣付けたい。そこで今回は、よく噛むことが苦手な人に向け、歯科医師監修のもと、よく噛むことが実践できるようになるコツを紹介する。

よく噛むとなぜいいのか

まず、よく噛むことを習慣付ける前に、よく噛むことのメリットを知っておきたい。主なメリットを挙げる。

●よく噛むと肥満予防になる

厚生労働省の「平成21年国民健康・栄養調査」結果では、食べる速さを体型別にみると、肥満(BMI25以上)の男性は、速いと回答した人が63.9%で、肥満ではない人に比べて多いことが分かっている。他にも、「早食いの習慣がある人ほど肥満度が高い」という研究報告があるそうだ。早食いでは、脳が満腹を感じるまでに食べ過ぎてしまうようだ。

北海道大学のページによれば、よく噛むことで満腹感が早期に得られ、食事量が抑えられることに加えて、食欲に関わるホルモン分泌に影響すること、食後のエネルギー消費量を増加させることで肥満の予防につながることが科学的に実証されてきたという。

●よく噛むと食後血糖値が低くなる

よく噛んでゆっくり食べると、食べ物が体に入るのがゆっくりになるため、食後血糖値の急上昇を抑えられるということは、各所でいわれている。

厚生労働省のe-ヘルスネット「食後高血糖」のページによれば、食後に血糖値が高い状態が続くと、糖尿病を発症するほか、糖尿病予備群である疑いがあるとされる。また動脈硬化の危険因子としても重要で、放置しておくと血管障害が進み脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがあるそうだ。

ちなみに2019年11月に北海道大学大学院などの研究グループが発表した研究結果によれば、朝、40回咀嚼を行った条件で、食後血糖値はもっとも低くなり、食後30分のインスリン分泌量の上昇に関与することが分かったという。本研究では咀嚼による血糖値の調節効果は、朝と夜で異なることを発見された。

特に朝食を早食いしてしまいがちな人は、要注意といえそうだ。

●よく噛むと口臭・虫歯予防につながる

医師、医学博士の裴英洙氏の「一流のパフォーマンスアップ習慣: できる自分に瞬間で戻れる!」(学研プラス刊)によれば、噛むことで分泌される唾液には、殺菌・除菌効果があるため、細菌の繁殖を抑えて口臭や虫歯を予防するほか、消化を助ける効果も期待できるという。

噛む回数を増やすためのコツ

よく噛むことには、さまざまなメリットがあることがわかった。

しかし、一口ごとに40回、50回噛むという高い目標は達成しにくい。厚生労働省は、一口30回噛む習慣を奨める「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱している。まずは30回を目安にしてみるのも良さそうだ。

30回でもハードルが高い、という人に向け、噛む回数を増やすためのコツを見ていこう。

1.噛みごたえのある食材やメニューを増やす

農林水産省のページでは、噛みごたえのある食材やメニューを増やす対策が紹介されている。やわらかく、軽く噛めば飲み込めてしまうものは、噛むことを意識しにくい。
噛む回数は、パンや麺よりご飯、ご飯は白米より玄米飯、ハンバーグよりしょうが焼き、刺身はマグロよりタコ、里芋の煮物より根菜の煮物のほうが増えるそうだ。

2.できるだけ「ながら食べ」をしない

また、同じ農林水産省のページでは、デスクでパソコンを操作しながら、テレビや新聞を見ながらでは、食事や噛むことに集中できないとしている。ビジネスパーソンは、仕事でパソコンやスマートフォンを見ながら食べがちだが、食べることに集中するのも一つの方法だ。

3.調理方法を工夫する

横浜・中川駅前歯科クリニックの二宮威重先生によれば、調理方法を工夫すると噛む回数が増えるという。

例えば切り方。きゅうり、にんじん、ピーマンしいたけ、油揚げなどの食材は大きく乱切りに。肉は薄切りではなく厚切りに。

加熱の仕方もポイントだ。野菜は煮るよりも生、つまり加熱時間が短いほど噛む回数が増える。一方で、魚や肉は加熱するほど硬くなり、じっくり煮込むと逆にやわらかくなるそうだ。

味付けも重要。濃い味付けよりも薄味のほうが、味がするまで噛み続けるので、噛む回数が増えるという。

4. 一口のサイズやスプーンなどは小さめにする

また二宮先生によると、一口のサイズを小さめにしたり、スプーンやフォークを使うときは、大きめのものよりも小さめのものを使ったりするのも噛む回数を増やすという。

5.一旦箸を置く

一旦、口に食べものを入れたら、30回噛むまで箸を置くのも良いといわれる。

これらの噛む回数を増やす工夫を実践しながら、一口、30回噛むのを目標にしてみよう。

毎日の積み重ねにより、将来長きにわたって健康・理想の体型を維持できるはずだ。

【監修】
歯科医師 二宮 威重先生
東京歯科大学を卒業後、2000年に中川駅前歯科クリニックを開業。一般的な歯科治療だけでなく、味覚障害、舌痛症、など、口の健康に関する様々な治療を行う。「情報プレゼンター とくダネ!」、「報道ステーションSUNDAY」、「Nスタニュースワイド」、「グッド!モーニング」など、多数のメディアに掲載、出演。
http://www5.famille.ne.jp/~ekimae/

取材・文/石原亜香利

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