Monday, February 17, 2020

魚をよく食べる人は認知症の発症が少ない 糖尿病の人は認知症になりやすい|ニュース - 糖尿病ネットワーク

 魚をよく食べる人ほど認知症を発症するリスクが低いことが、日本人の高齢者約1万3000人を対象とした「大崎コホート研究」で明らかになった。
 同研究では日本食を多く摂っている人では認知症の発症が少ないことも明らかになっている。

糖尿病の人は認知症になりやすい

 糖尿病の人はそうでない方と比べて、アルツハイマー型認知症に1.6倍なりやすく、血管性認知症に2.5倍なりやすいという報告がある。糖尿病と診断されるほどではないが血糖値が高い耐糖能の段階でも、認知症のリスクは上昇する。  糖尿病があると認知症になりやすい原因として、脳の血管の動脈硬化、酸化ストレスの増加、終末糖化産物の形成、インスリン抵抗性などが指摘されている。  認知症を予防するために、低血糖を起こさないようにしながら、血糖値をできるだけ良好にコントロールすることが重要だ。糖尿病を治療することで、認知機能も改善するという研究が報告されている。  さらに、高血糖だけでなく、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームなども認知症の原因になる。こうした危険因子を減らすことも必要だ。  認知症の予防につながる食事パターンとして、大豆・大豆製品、魚、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、牛乳・乳製品を十分に摂取し、アルコールの摂取を控えめにすることが勧められている。

魚を食べる日本食は優れている

 魚をよく食べる食事スタイルは健康的とする研究が世界中で発表されている。魚をよく食べる日本の食事スタイルは優れていると、世界的に評価が高い。  青魚(イワシ、サバ、ニシン、サンマ)やマグロなどに多く含まれるn-3系不飽和脂肪酸には、体に良い効果があると注目されている。魚のn-3系不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、中性脂肪を下げ、血栓(血のかたまり)ができるのを防ぎ、動脈硬化を予防する働きをする。  魚には、n-3系不飽和脂肪酸だけではなく、良質なタンパク質、ビタミンDやビタミンB、ミネラルも含まれている。日本が世界でトップの長寿国を誇る秘訣のひとつは、魚を中心とした健康的な日本食にあると考えられている。  魚をよく食べる人ほど認知症を発症するリスクが低いことが、日本人の高齢者約1万3000人を対象とした研究で明らかになった。 関連情報

魚に認知症予防の効果が

 日本食を多く摂っている人では認知症の発症が少ないことは、東北大学の過去の研究で明らかになっている。日本食の特徴のひとつは、魚を豊富に食べることだ。  魚を習慣的に食べることが、認知症の発生リスクを低下させる可能性が考えられるが、魚の摂取と認知症発生の関連を調査した前向きコホート研究はほとんどない。  そこで東北大学の研究チームは、65歳以上の日本人を対象に、魚の摂取量とその後の認知症発症の関係を調べた。  「大崎コホート研究」は、宮城県大崎保健所管内1市13町に居住する40~79歳の国民健康保険加入者を対象とした、1994年に開始されたコホート研究。東北大学が生活習慣に関する調査と、死亡やがんなどの罹患の状況に加えて、医療費などを追跡して調査している。  研究チームは、「大崎コホート研究」に参加した65歳以上の市民のうち、条件を満たした1万3,102人を対象に調査した。

魚の摂取量が多いと認知症が16%減少

 「新鮮な魚介類(刺身・煮魚・焼き魚などで食べる)」と「かまぼこ・ちくわ」を「魚」と定義し、魚摂取頻度について調べた。  魚を食べる頻度を「ほとんど食べない」から「ほぼ毎日」まで5段階に振り分けた。各群の1日当たりの魚の摂取量の平均はそれぞれ、20.4g、44.3g、57.7g、96.9gだった。  5.7年間の追跡期間に1,118人が認知症を発症した。解析した結果、魚の摂取量が多いほど認知症リスクは低いことが明らかになった。  魚の摂取量がもっとも少ない群に比べ、摂取量が増えるにつれ、認知症発症リスクは0.90倍、0.85倍、0.84倍と低下していった。  こうした傾向は、追跡開始から2年以内という早い段階で認知症と診断された患者や、研究に参加した時点で認知機能が低下していた患者を除外しても変わらなかった。  「魚を日常的に摂取することで、認知症の予防効果を得られる可能性がある」と、研究者は述べている。

日本食に認知症の予防効果 認知症が20%減少

 「大崎コホート研究」の過去の研究では、日本食を多く摂っている人では認知症の発症が少ないことも明らかになっている。  東北大学の研究チームは、大崎コホート研究に参加した65歳以上の高齢者1万4,402人を5.7年間追跡して調査した。期間中に9.0%が認知症を発症した。  研究チームは、食物の摂取頻度について39項目の質問をして、食事を「日本食」「動物性食品」「高乳製品」の3つのパターンに分けた。  日本食パターンは、魚・野菜・海草・漬物・大豆製品・きのこ・いも・果物などを多く摂取しており、動物性食品パターンは肉類を多く摂取していた。それぞれの食事パターンを点数化し、4分位によって4グループに分け、認知症発生との関連を調べた。  その結果、日本食パターンの度合いが高い高齢者では認知症発生リスクが20%低下していた。一方、動物性食品パターンと高乳製品パターンでは、認知症発生との有意な関連がみられなかった。  日本食の特徴は、▼野菜・果物・豆類などの植物性食品をよく食べる、▼新鮮な魚介類をよく食べることなど。日本食には、高血圧、糖尿病、脂質異常症の予防・改善の効果もあることが報告されている。どんな食事をすると認知症を予防できる可能性があるか、今後の研究に期待がかかる。 東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野

Fish consumption and risk of incident dementia in elderly Japanese: the Ohsaki cohort 2006 study(British Journal of Nutrition 2019年9月3日)

Dietary Patterns and Incident Dementia in Elderly Japanese: The Ohsaki Cohort 2006 Study(journals of gerontology 2016年6月29日)

[ Terahata ]

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