by jen
夜中や寝る前に空腹を覚えて、無性になにか食べたくなってしまった経験がある人は多いはず。しかし、こうした誘惑は減量の天敵である可能性が高いと、専門家は指摘しています。一方で、研究により「カロリーを摂取するのに適した時間帯がある」ことも分かってきています。
Is body weight affected by when you eat? Here's what science knows so far
https://theconversation.com/is-body-weight-affected-by-when-you-eat-heres-what-science-knows-so-far-143303
スコットランドにあるアバディーン大学で食事と栄養についての研究を行っているアレックス・ジョンストーン氏とレオニー・ラディック=コリンズ氏によると、ダイエットに大きな影響を及ぼす要素の1つとして、「概日リズム」があげられるとのこと。概日リズムは一般に「体内時計」とも呼ばれ、睡眠や覚醒だけでなく消化や代謝、食欲の調節といった体の機能にも関係しています。
この概日リズムが人体に及ぼす影響を調べるため、ジョンストーン氏らは過去に発表された、概日リズムを意図的に乱す実験や、夜に1日の摂取カロリーの25%以上の食事をとってしまう「夜間摂食症候群」についての調査を精査する研究を行いました。
その結果、意図的な概日リズムの乱れや夜間の食事の両方が、「食欲」「エネルギー消費」「ブドウ糖レベルの調節」などに関与する多くの重要なホルモンに影響を与えていることが確かめられました。研究資料とした実験がマウスを用いたものだったことから、ジョンストーン氏らは「ヒトに当てはめるにはより多くの研究が必要」としつつ、「概日リズムの乱れや夜間の食事がもたらすホルモンの変化は、エネルギーレベルを低下させつつ食欲を増進させるため、摂取カロリーの増加とエネルギー消費の減少を招き、体重の増加を引き起こすおそれがあります」と結論付けました。
夜に食事をとると体重が増加することが示された一方で、過去の研究では「朝にカロリーを摂取するようにすると減量につながる」ことも判明しています。イスラエルのテルアビブ大学で糖尿病の研究を行っているDaniela Jakubowicz氏は、2013年に発表した論文の中で、「1日の合計摂取カロリーが同じ1400kcalでも、夜に700kcal摂取したグループより、朝に700kcal摂取したグループの方が、明らかに多く体重や胴囲が減少した」と報告しました。
また、朝食を毎日食べる人と朝食を抜く人を比べた2014年の研究でも、「朝食を食べることと、摂取カロリーが多いのにやせていることや身体活動により発生する熱量との間には因果関係が認められる」との結論が示されました。
これらの実験結果についてジョンストーン氏らは、「朝に1日の摂取カロリーの大半をとると大幅な減量につなるという結果には同意できます。あくまで推論ですが、朝食でカロリーをとるといいのは、夕方にカロリーを摂取しても活動が促進されない一方で、朝食で多くのエネルギーを得るとよりアクティブに活動できるからだと考えられます。また、夜遅くに食事をとると概日リズムが乱れるため、翌日の疲労感と身体活動の減少につながるのも一因かもしれません」と述べました。
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