Tuesday, December 21, 2021

【関西の鍋】全国唯一⁈しょうが醤油で食べる「姫路おでん」 B級グルメの逸品 - 産経ニュース

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しょうが醤油につけて食べる「姫路おでん」
しょうが醤油につけて食べる「姫路おでん」

兵庫県姫路市のご当地グルメ「姫路おでん」。しょうが醬油(じょうゆ)をつけて食べるおでんということのみを定義とし、じっくりと煮込んだ関東煮(かんとだき)も、薄いだしのおでんも、しょうが醬油で食べれば姫路おでんだ。具材もダイコンに卵、こんにゃくと通常のおでんと変わらない。約15年前まで姫路おでんの名称もなかったが、近年はご当地グルメを競う「B-1グランプリ」などで名前が浸透。地元はブランド化を図っている。

コンビニでも…

JR姫路駅から姫路城へと続く大手前通りには、姫路おでんを看板に掲げる飲食店が目立つ。おでん専門店だけでなく、大衆食堂やお好み焼き店、カフェなど市内の60店以上が提供。コンビニエンスストアにも、おでん用のしょうが醬油を置いているほどだ。

姫路おでんの肝となるしょうが醬油だが、店によって提供方法はさまざまだ。盛り付けたおでんの上からかけられていることもあれば、小皿で提供する店もある。しょうが醬油をつけて食べると、味が引き締まって感じられる。

姫路市白銀町のおでん専門店「能古(のこ)」では、しょうが醬油におでんのだしをかけたものを小皿で提供。姫路名産の練り物や姫路で水揚げされたタコは観光客からの人気も高いという。

姫路おでんを提供するおでん店「能古」店主の大橋ひとみさん=兵庫県姫路市
姫路おでんを提供するおでん店「能古」店主の大橋ひとみさん=兵庫県姫路市

「だしにこだわっているから、だしでも食べてほしい」と店主の大橋ひとみさん。ダイコンなどだしのままでもおいしい具材、しょうが醬油をつけるとうまみが際立つタコなど具材によって楽しめるという。だしで食べたり、しょうが醬油につけたりして「『2度おいしい』といわれるのが一番うれしい」と話す。

一通のメールから

「しょうが醬油でおでんを食べるのは姫路だけではないでしょうか」。地元の食品企業などでつくる姫路おでん普及委員会の会長、前川裕司さんによると、姫路おでんとの命名は平成18年に届いた一通のメールがきっかけだった。

メールは出張先でおでんを食べるが、どこにもしょうが醬油が置かれていないと不思議に思った人からSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「ミクシィ」を通じて寄せられた。

当時から播磨の食材をPRする市民団体「播磨うまいもん会」事務局長をしていた前川さんは「そんなわけがないと思いつつ、ほんの少し気になった」。しょうがの産地で食べられているおでんについて調べたり、ミクシィで友人らに「他で食べているところはありますか」と発信したりしたほか、市内でおでんの看板を出す飲食店を食べ歩いた。「そうしているうち、何となく姫路だけだと分かり、名物にしようと名づけました」と振り返る。

その後、姫路おでんのお店のチラシを作成すると、新聞やテレビの取材依頼が殺到。B-1グランプリの市への誘致を決めるなどして全国区となった。

発祥は農家?

なぜ、姫路ではおでんにしょうが醬油をつけるのか。最も有力視されているのは、姫路市南部の白浜町や妻鹿(めが)といった浜手地域で大正後期からしょうがの生産が盛んになったことで、農家の家庭料理から生まれたとする説だ。

さらに、隣のたつの市は醬油の醸造地として知られる。周辺には赤穂の塩など、調味料をつくる企業も多い。前川さんは「よりおいしい味を求める人々の文化があったことも大きいのでは」と考えている。

一般的にはからしなどと食べられることが多いおでん。前川さんは「辛さでなく、しょうが醬油は味を引き締めながら素材本来のうまみを引き出す。おでんの一番おいしい食べ方だ」と胸を張る。

普及委員会として新たな具材の開発にも力を入れ「本当の名物になるため、進化し続けたい」と話す。

組合が管理 地域ブランドに

家庭料理のおでんに、しょうが醬油をつけるだけで誰でも簡単に試せる姫路おでん。その手軽さから、市外でも姫路おでんを食べられる飲食店は増えた。一方、過去には姫路おでんの名前が勝手に使われ、ブランドイメージの低下につながりかねないケースもあったという。

姫路おでん普及委員会によると、姫路市で平成20年に開催された全国菓子博に市外の事業者が出店した際には、市民から「利益を重視した劣悪な姫路おでんだった」との苦情も寄せられた。普及委とはかかわりのない事業者だったが、苦情に対して謝罪するしかなかったという。

翌21年、地域ブランドとして保護する地域団体商標に申請するため、姫路おでん協同組合を設立。24年に商標を取得した。現在は姫路おでんの名前を使った料理の提供をする事業者には、組合に加盟することを求め、一定の管理ができるようになった。

普及委会長の前川裕司さんは「手軽にできるからこそ、多くの人に楽しんでもらえたらと思うが、飲食店が提供する際には組合に加盟をしてほしい」と呼びかけている。(福井亜加梨)

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