Sunday, February 2, 2020

日本人が驚く中国の食文化 赤ちゃんネズミを生きたまま食べるなど - livedoor

浜田和幸【中国人 驚愕の食文化】#1

新型肺炎で株急落 海外から見れば「中国も日本も同じ国」

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスが世界の各地で感染者を増やしている。そもそもの発生源は武漢の海鮮市場で売られていたコウモリとも、コウモリを食べたタケネズミともいわれる。この市場ではジャコウネコ、オオカミ、キツネ、ネズミ、ヘビ、ヤマアラシ、カメなど100種類の生き物を売っていた。

 こうした中国人の食文化に日本人はビックリしているが、彼らにとっては先祖代々の伝統にすぎない。2002年に流行したSARSはハクビシンが原因だった。

 ハクビシンは広東料理の定番で、野生動物を使った料理の中で最もポピュラーなもの。ハクビシンは果実を好んで食べるため、その肉はくせや臭いがなく、アライグマやタヌキよりも上品で食べやすい。シチューや煮込み料理の素材に使われるのが一般的だ。

■無許可で飼育し、高値販売を狙う闇業者

 問題となったコウモリはスープにする。ヘビと同じく高級食材で、頭から足まで、すべておいしく食べられる。

 生まれたばかりの赤ちゃんネズミを生きたまま食べる習慣もあり、醤油などにつけて口に入れる。食べるときにチューと鳴くのを喜ぶらしい。

 ネズミは広東料理ではしゃぶしゃぶや火鍋の材料にされる。味はウサギや鶏肉に似ているとか。ここでは猫と同じくらい丸々と太った大人のネズミが特に好まれる。

 サソリと聞くと、怖い昆虫と思われがちだが、実は命に危険を及ぼす毒性を持つ種類は少ない。そのため「カニやエビに近い味がする滋養強壮のもと」として漢方によく使われるし、天ぷら料理にも適している。鹿の胎児も滋養強壮に効くといわれ、主にスープとしてテーブルにのぼるようだ。

 クモはフライにするのがオーソドックスな食べ方。見た目と違ってフライドチキンに似た味。あぶり焼きや蒸留酒に漬け込んだ「蜘蛛酒」も人気がある。

 中国人が犬肉を食べることはよく知られている。漢時代は犬肉はブタや鶏より上等とされた。理由は「犬肉は体を温め、養老・養生に適している」とみなされたからだ。

 02年にハクビシンがSARSの原因とされたときは野生動物を食べる人が一時的に減った。だが、2年もするとハクビシンの売り上げは元に戻った。こうした野生動物の販売には衛生局の許可が必要だが、大金を稼ぐことができる“おいしい商売”のため、無許可で動物を飼育し、高値販売を狙う闇の業者が多い。今回の新型コロナウイルスが発生したのは当然ともいえるだろう。(つづく)

(国際政治経済学者・浜田和幸)

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