摂取カロリーを減らせば痩せるのは当たり前ですが、たくさん食べても太らない体質の人もいます。遺伝以外にも、太らない体質になるための秘密はあるのでしょうか?
最近になって、幼少期の食事が太りにくい体質へと変化させることが明らかになりました。
新潟大学大学院医歯学総合研究科病態栄養学講座(寄附講座)らの研究グループは、マウスにおいて幼少期の米(胚乳)タンパク質摂取が成熟期の肥満やそれに関連する腎臓病を抑制することを発見したのです。
米タンパク質がマウスを太りにくい体質に!
以前から幼少期の食事と肥満との関係性が指摘されていましたが、そのことを明らかにするために、マウスによる実験が行われました。実験内容は次の通りです。
幼少期のマウス(4~10週齢)に動物性タンパク質(CAS)または米タンパク質(REP)を与えて育てました。そして、それぞれのマウスたちの成熟期(10~22週齢)には、高脂肪食を与えるようにしました。大人になったマウスに、あえて太りやすい食事を与えることで、どのマウスが太りにくい体質を持っているか調べたのです。
CC:幼少期、成熟期共に動物性タンパク質
RC:幼少期は米タンパク質、成熟期は動物性タンパク質
CR:幼少期は動物性タンパク質、成熟期は米タンパク質
RR:幼少期、成熟期共に米タンパク質
そこで出た結果は、以下の図のようになりました。
図のように、通常脂肪食を与えていた幼少期までは、どのタンパク質を与えていても体重に変化が無いことが分かります。しかし、成熟期になり高脂肪食を与えだすと、タンパク質の種類による違いが如実に表れるようになったのです。
すっと動物性タンパク質を摂取していたマウス(CC)は一番太り、ずっと米タンパク質を摂取していたマウス(RR)は痩せていました。動物性タンパク質は太りやすいのですね。
さらに興味深いことに、大人になって動物性タンパク質を摂取しているマウス(CC、RC)でも、幼少期の食生活によって体重が大きく異なることが分かります。幼少期に米タンパク質を食べて育ったマウス(RC,RR)は、成熟期では太りにくい体質になっており、他のマウス同様、太りやすいものを食べたとしても体重増加が抑制されるのです。
同時に計測されたデータによると、幼少期における米タンパク質の摂取は、動物性たんぱく質の摂取に比べて、脂肪重量、血糖、総コレステロールなどの増加を抑制することが分かったのです。
幼少期の米タンパク質が太りにくい体質にするのはなぜか?
研究チームは、幼少期の米タンパク質摂取が成熟期の肥満を抑制する理由も明らかにすることが出来ました。
米タンパク質が消化される時にできるペプチドの有用な働きを発見したのです。ペプチドは腸内細菌の多様性を高め、良い状態に保ってくれます。さらに、ペプチドが大腸菌の占有率を低下させるので、毒素(LPS)の生産が抑制され、結果として炎症や肥満も抑制されるようです。
つまり、幼少期のタンパク質摂取が、腸内の状態を良好にし、太りにくい体質へと変化させてくれるのです。
和食と健康的な体づくり
今回の研究はマウスによるものでしたが、人間でも幼少期に米タンパク質を摂取することで、太りにくい体質になる可能性を示しています。
欧米人に比べて、日本人はもともと痩せている人が多かったようです。しかし、グローバル化が進むにつれて肥満で悩む人が増えてきました。これは、人々の和食離れが影響している可能性もあります。米の摂取量も年々減少傾向にあります。
「太りにくい体づくり」という点では、子供たちにはなるべく和食をすすめてみるのも効果があるかもしれません。
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December 15, 2019 at 06:00AM
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幼少期に米を食べると太りにくくなるという研究結果 - ニコニコニュース
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