記者の食リポ
市商工会で作ったロゴマーク
師走も半ばとなりました。記者(43)が8月に日進通信部へ着任して4カ月が過ぎましたが、入社して17年で初の愛知県への赴任です。せっかくならばご当地グルメを、ということで見つけました。熱々で冬にぴったり、しかもタイムリーな縁起物。愛知県豊明市の「豊明ひきずり鍋」です。 (平木友見子)
「ひきずり鍋」とは、尾張地方の郷土料理で、鶏肉のすき焼き。鍋から皿に引きずるように食べることから名前がついたとのこと。1年間、引きずっていたものを、きれいに片付けて新年を迎えようと、年末に食べる縁起物という。
豊明市内では昭和初期まで、庭でニワトリを飼う家庭が多く、牛肉よりも安価で手軽な食材であることから、家で作って食べていたらしい。だが戦後、食糧事情が良くなり、次第に食卓に姿を見せなくなった。
表舞台から消えた郷土料理を復活させたのが市商工会。市をPRする「豊明グルメ」にしようと2011年、B級グルメ設立委員会を発足。翌年に「豊明ひきずり鍋食べらん会」、14年には市民主体の応援隊を発足。アレンジレシピやロゴマークも生まれるなど盛り上がった。
しかし、出展を目指していた「B-1グランプリ」のハードルは高かった。地域活性化が大会の目的であるため、出展団体には「ボランティアを中心とした町おこし活動」や「活動の実績」などの条件が必要で、市商工会の方針となじまず断念。15年ごろから徐々に活動も下火になり、参加店も全盛期の約20店から現在は5店に減少した。
(上)ひきずり鍋の準備をする蓮川さん
(下)寒い冬にぴったりの縁起物「豊明ひきずり鍋」=いずれも愛知県豊明市三崎町の「やき鳥かつら」で
そんな中、企画当初から参加している同市三崎町の焼き鳥店「やき鳥かつら」で、店長の蓮川宗克(むねよし)さん(48)が料理を出してくれた。
まず直径30センチ弱の鉄板鍋で鶏のもも肉と砂肝、豆腐を焼く。肉が色づいたころ、白菜やニンジン、シメジなど彩り豊かな野菜、続いて割り下を投入。ぐつぐつと煮える音を聞きながら溶き卵を準備する。
「この地域の人たちが好む甘めの味付けに仕上げてあります」と蓮川さん。勧められ、まず一口。甘辛の割り下のよく絡んだもも肉が、溶き卵で中和され、ちょうどいい塩梅(あんばい)になる。この甘さがまさにご当地の味。すき焼きを食べている満足感もあり、これで千円以下とはお値打ちでは。
おいしくてヘルシーで安いのに、なぜ広がらなかったのか。蓮川さんは「名前が分かりにくかったのと、すき焼きは牛肉に限る、とみんなが贅沢(ぜいたく)になったからでしょうか」と肩を落とす。
一方で、市内や近隣自治体のスーパーには、今も「豊明ひきずり鍋」セットがある。同商工会の依頼で14年ごろから販売を始めたもので、ロゴも付いている。火に掛けるだけの手軽さからか売れ行きは好調。背中を押された蓮川さんは語気を強める。「豊明市内の店が先に提供をやめることなんて、できません」
変化する時代を乗り越えて、復活したかと思えば下火になり、それでも生き抜く「豊明ひきずり鍋」。食べると、この「ど根性」にもきっと、あやかれるのでは。(問)市商工会=0562(93)6666
(2019年12月16日)
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December 16, 2019 at 08:42AM
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