<近年、中国古来の生薬「阿膠」(あきょう)の需要が高まり、これによりロバの頭数が世界的に減少し問題になっている......>
阿膠(あきょう)とは、ロバの皮膚から抽出されたコラーゲンを主成分とする中国古来の生薬で、貧血や便秘、月経不順の改善や流産の予防など、健康や美容に幅広い効能があるとされている。
かつては上流階級のみが使用できる非常に高価なものであったが、近年、中国の中流階級で需要が高まり、これに伴って、ロバの頭数が世界的に減少している。
中国のみならず、アジア、南米、アフリカでロバの頭数が減少
ロバの保護に取り組む英国の慈善団体「ドンキー・サンクチュアリ」は、2017年に公表した報告書「アンダー・ザ・スキン」の改訂版として、2019年11月に「アンダー・ザ・スキン・アップデート」を公開した。
これによると、阿膠の需要拡大に伴って、中国のみならず、アジア、南米、アフリカでロバの頭数が減少しており、今後5年間で、世界のロバの半数以上が失われるおそれがあるという。
中国では、阿膠の年間生産量が2013年時点の3200トンから2016年には5600トンにまで年成長率20%以上のペースで増加。英レディング大学の試算によると、5600トンの阿膠を生産するためには480万トンのロバの皮膚を要するが、国内供給量は年間180万トン未満にとどまっており、その多くを輸入に頼っている。阿膠を用いた漢方薬品メーカーの東阿阿膠股分有限公司は「中国が2016年時点で350万トンのロバの皮膚を輸入した」と認めている。
健康や美容に幅広い効能があるとされている生薬の「阿膠」 Deadkid dk-wikipedia
ロバは世界5億人以上の人々の生活を支えている
阿膠の原料となるロバの皮膚の需要増加に伴って、ロバの頭数が世界各地で減少している。中国では、1992年時点で1100万頭を超えていたロバの頭数が2017年には76.3%減の260万頭に減少。南米ブラジルでは2007年から2017年までの間にロバの頭数が約28%減少した。2011年から2017年までの6年間で、中央アジアのキルギスではロバの頭数が約53%減少し、アフリカ南部のボツワナでも37%減少している。ケニアやガーナでも、今後、ロバの頭数が減少すると懸念されている。
ロバは、商品を市場に運搬したり、水や薪などの物資を運ぶ手段として、世界5億人以上の人々の生活を支えている。
つまり、ロバの減少は、ロバとともに生きる人々の生活をも脅かす。ケニアのキセリアンに在住するステファン・ンジョロゲ氏は「ロバを使って、水を運搬したり、農作物を市場に運んだり、建設資材を運搬したりしてきた。我が家ではロバを近くに集めて飼っていたが、同じ日の夜に盗まれた。ロバを失った損失からまだ回復できてない」と訴えている。
各国政府の取り組みが必要な段階に
パキスタンが2015年9月にロバの皮膚の輸出を禁止して以降、ガーナ、セネガル、コロンビアなど、18カ国でロバの屠殺や皮膚の輸出が禁じられている。「ドンキー・サンクチュアリ」は、ロバの保護に向けた各国政府や地方自治体の取り組みを支援するとともに、阿膠業界に対して、ロバ由来のコラーゲンを培養するなど、より持続可能な手法を用いるよう求めている。
2019-12-25 09:15:57Z
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