SNSを見ていたところ、イギリスのお寿司屋さんがDORITOS onigiriなるメニューを出していたことがわかった。
ドリトスってあのドリトスだ。ドンタコスみたいな。
そいつをおにぎりにするとはどういうことなんだろう。
ものすごく気になるので見よう見まねで作ってみた。
揚げ物のドリトスをおにぎりに纏わせさらに揚げる
筆者が事態に気づいたのは2021年のこのツイートだった。
Japan, I'm so, so sorry. pic.twitter.com/oILDCv9XMz
— Sara Hussein (@sarahussein) October 17, 2021
パッケージからおにぎりを取り出す画のインパクトが大きすぎて、最初に見たときはドリトスからおにぎりが発売されたのかと思った。どうやらちがうらしい。
”DORITOS onigiri”で検索をかけるとこんな情報が目に入った。
イケイケなラップで繰り返されるのは"YO!time"というフレーズ。
そしてちょくちょく映る、日本人になじみのあるレーン。
どうやら、これはイギリスの”YO!Sushi”という回転寿司屋さんのメニューらしい。
それにしても、すでに揚げて作られたドリトスをおにぎりにまぶしてさらに揚げるなんて、どうやって思いついたんだ。しかもカツカレーソースのプールに乗せてお出ししますなんて言っている。カツカレーソースってなんだ。あとなんで紅ショウガを添えているんだ。
突っ込みどころ満載である。でもこのめちゃくちゃな感じ、嫌いじゃない。
2021年の期間限定メニューのようで今はもう出していないようだ。出していたとしてイギリスまで行って食べに行くほどのアクティブさはさすがに携えていない。
ということで自作する道を選んだ。まずはもうすこし情報収集をする必要がある。
正式名称は「ドリトス・オニギリ・カツ・クランチ」
今の情報だけでもなんとなくで作ることはできそうだ。でもやるからにはなるべくオリジナルに近づけていきたい。
各種SNSで”DORITOS onigiri”を検索した結果、以下のレシピと実際の工程を映した動画を入手することができた。
Hands up if you can't wait to get your chops around the new DORITOS® Onigiri Katsu Crunch at @YOSushi 🙌 😋 Sushi rice, packed with sriracha chicken (or sautéed mushrooms for the veggies), coated in DORITOS® Chilli Heatwave, 🌶️ and served with katsu curry sauce. Just wow. ❤️ pic.twitter.com/eTOkLZxRW8
— St David's Cardiff (@StDavidsCardiff) October 11, 2021
@yosushi YO! Have you heard about the YO! DORITOS® Onigiri Katsu Krunch?? It tastes as good as it sounds 👀
♬ original sound - YO!
まとめると材料は多分こう。
DORITOS Onigiri Katsu Krunch(1人分)
・米…150~180gくらい
・ドリトス Chilli Heatwave味…適量
・鳥ささみまたは胸肉(ベジタリアンはきのこで代用可)…適量
・シラチャーソース…適量
・すし酢…適量
・青のり…適量
・小麦粉または片栗粉…適量
・全卵…1/2個
・揚げ油…適量
・カレー(レトルトでOK)…大さじ3~4杯
・紅ショウガ…適量
・長ネギ…適量
適量祭りだ。だって量まで書いてないんだもの。
そして正式名称はどうやら「ドリトス・オニギリ・カツ・クランチ」らしい。
カツってたしかカツレツに由来している。それを英語圏で新しい言葉として輸入している。興味深いことだ。
なんとなく材料がわかったところでようやく作る工程に入っていきたい。
ドリトスおにぎりの作り方 ~新情報:酢飯は握りづらいを添えて~
①鶏肉をソースで和えておく
下準備というやつだ。おにぎりの具となる鶏肉にシラチャーソースを加えて混ぜる。
あんまりなじみがないかもしれないが、タイ発祥のチリソースであるシラチャーはわりとそのへんのスーパーで買うことができる。
つまんでみると若干の甘味と唐辛子の風味が広がる。もうこれだけでおつまみだろう。
②酢飯を作る
今回はレンジで温めるタイプのパックご飯とすしのこを使った。
青のりを入れて混ぜる。なんとなくで青のりを用意したが、わかめご飯の素など、青ければ何でもいいと思われる。
このまま握って食べればいい気もするが、次の工程に参ります。
③おにぎりを握る
「おにぎりを握る」ってなんか「頭痛が痛い」みたいに間違った表現じゃないか不安になる。
でも「おにぎる」という言葉はないのであっていると思う。ちなみに橋田壽賀子先生は「渡る世間は鬼ばかり」でやたらと「おにぎりをこしらえる」という表現を使います。
話が逸れたが、①で作った鶏肉和えを具におにぎりをこしらえる。
握っている写真を撮りたかったのだか、そんな暇がないくらいにおにぎりが全然まとまらなかった。成形したそばから崩れるのでふっくらとは程遠い具合の握り方をしてしまった。
酢飯は三角に握りにくい。初耳だ。なぜなら酢飯でおにぎりを作る人なんて見たことがないから。
④ドリトスを砕く
ここでついにドリトスの登場である。
Chilli Heatwave味が手に入れられなかったので今回はナチョチーズ味にする。カレーもシラチャーソースも辛いしいいでしょう。
こいつをボウルに入れる。もちろん先ほどの動画のように砕きます。拳で。
単純に痛い。ドリトスのあの噛み応えを考えたら当然のことだ。ずっとやりつづけたら指の皮が分厚くなりそう。
ほどよくこまかくなるまで砕いて衣の準備は完了。
⑤おにぎりに粉をまぶして卵にくぐらせる
ここからがもう未知の世界だ。普段揚げ物をしないのに、よりによっておにぎりを揚げるなんて。
家に小麦粉がなかったのでおにぎりに片栗粉をまぶす。
ここでまたしても新しい事実に気が付く。粉によっておにぎりが圧倒的に成形しやすくなっている。もう今後一生使うことのないであろうおにぎりハックを会得してしまった。
きれいに整えたところで卵液をまとわせる。
そういえばライスコロッケという食べ物があった。イタリアの料理だ。これもドリトスおにぎりコロッケと考えるとおしゃれな気がしてくる。でも形があまりにもおにぎりなんだなあ。
⑥ドリトスをまぶす
いよいよメイン作業だ。衣と化したドリトスでおにぎりをコーティングするのだ。息をのみながらドリトスの海におにぎりを放つ。
コーンフレークに見えてきた。砕き方が甘かったのかもしれない。
でも入れてしまったものは仕方ない。このまま突き進もう。
⑦おにぎりを揚げる
中身はそのまま食べられるので180℃くらいの気持ちで温めた油でさっと揚げる。
おにぎりについている色が、もうドリトスのチップスなのかフレーバーの粉なのかわからない。
本来いるべき場所ではないのに、揚げられているおにぎりは文句ひとつ言わない。置かれた場所で咲こうとしている。ドリトスおにぎりに学ぶことがあったなんて。
コンタクトを外してこの写真を見たらただの焼きおにぎりに見えることだろう。でも揚げたおにぎりである。
もうすこしちいさかったらナゲットにもみえたかもしれない。でも揚げたおにぎりなのである。
⑧カレーを温めて盛りつける
温めたボンカレーを平らなお皿にいれてドリトスおにぎりを真ん中に配置する。
刻んだ長ネギと紅ショウガをのせて完成!
盛り付けてみると案外普通においしそう。問題はその味だ。極端にまずくなることはなさそうだが、揚げた酢飯おにぎりってどんな味がするのだろう。
カレーうどんの残像が消えない
揚げ物はあつあつのうちに食べることがマナーだ。
とはいえどう食べたらいいか一瞬迷った。
おにぎりは手で食べるものだ。カレーはスプーンだ。
動画はお箸で食べていた。もうわからない。
カレーの存在を優先し、スプーンで食べることにした。
おいしくないわけではない。普通に食べられる。
おにぎり以前にカレーの印象が強い。ソースをかけすぎたのかもしれない。
あとカレーを食べているときにネギを食むことでカレーうどんの残像が浮かび上がる気がする。
シラチャーソースで和えた鶏肉に関しては意外にも酢飯との相性がいいように感じた。シラチャーがもともと酸味があるからかもしれない。ツナなんかと和えて手巻き寿司のラインナップに加えたらおいしいと思う。
ここまで、恐ろしいほどドリトスに関する感想が出てこない。
ドリトスであっても、ドリトスでなくても、どっちでもよかったな、と思う。
結局ドリトスは単体で食べるのが一番おいしいのかもしれない。
ドリトスはありのままで、その存在だけですばらしいんだよ、と伝えたい。
YO!Sushiで食べる本場のドリトスおにぎりはもっとおいしいのかもしれない。いつかリバイバルでドリトスおにぎりが出たら、だれか食べに行ってみてほしい。
からの記事と詳細 ( イギリスの謎メシ、ドリトスおにぎりを食べる - デイリーポータルZ )
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