Friday, September 16, 2022

オートミールを茶碗によそって箸で食べる!? 日本市場を狙うケロッグの意外すぎる作戦 - ITmedia ビジネスオンライン

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 日本ケロッグは9月15日、「粒感しっかり オートミールごはん」を発売した。同社によれば、日本のオートミール市場規模はこの4年で約10倍以上に急成長しており、2021年は623億4000万円にのぼるという。この急拡大は、オートミールをごはんのようにアレンジして食べる「米化」が浸透し始めていることが要因だ。

オートミール 新商品「粒感しっかり オートミールごはん」(商品発表会で記者撮影)
オートミール 急成長する日本のオートミール市場(商品発表会で記者撮影)

オートミールの食べ方「米化」

 同社の執行役員でマーケティング本部長の山田実さんは、「オートミールは、食物繊維が白米の約6倍でカロリーは約半分、糖質も60%オフといった特徴があります」と魅力を話す。

 20年前半にYouTuberや芸能人、モデルが食生活にオートミールを取り入れ始め、米化オートミールレシピがSNSを中心に話題になり始めたという。

オートミール オートミール急成長のワケは「米化」(同社提供)

 その結果、オートミールの認知度は約9割にまで上昇したものの、直近1年で食べたことがある人は約10%と、認知度と喫食経験に大きな乖離があった。

オートミール オートミールの認知度・使用経験(同社提供)

 食べ方で見ると、おかゆやリゾットのようにして食べる人が42%とオートミールの米化が浸透しつつある一方、おにぎりなど米と見立てて調理する人は23%にとどまっていた。そこで同社が着目したのが、“米化”ではなく、ごはんとして食べる、すなわち“ごはん化”だ。同社マーケティング本部ブランドマネージャーの西村香里さんは、「そこに市場拡大の余地があるのではないかと考えた」と振り返る。

オートミール オートミールの喫食方法(同社提供)

米化を超えた「ごはん化」

 単なる米化ではなく、完全にごはんとして食べられる商品を作る。そこで開発したのが、茶碗によそって箸でたべる「粒感しっかり オートミールごはん」だ。「徹底的にこだわったのは、“ごはん”の食感と味わいをオートミールで再現することです」(西村さん)

オートミール 「粒感しっかり オートミールごはん」(商品発表会で記者撮影)

 米ならではの食感と味わいを再現するために、「しっかりした粒感」「甘さと粘り気、ふっくらもちもち感」と特長が異なる2種類のロールドオーツを選定。それらをごはん化に最適なバランスで配合した。

オートミール ごはんを再現するため2種類のロールドオーツを配合(同社提供)

 また、ごはんとして毎日食べてもらうために調理の手間は厳禁だ。そこで調理工程は、大さじ4杯(30グラム)を水50ミリリットルに1分間浸した後、レンジで約90秒加熱すれば完成するという簡単でシンプルなものにした。「忙しい朝、リモートワーク中のお昼、疲れて帰ってきた夜、いつのタイミングでも温めるだけで食べられるよう工夫しました」(西村さん)

オートミール ごはん化の方法(同社提供)

 実際に「粒感しっかり オートミールごはん」を食べてみたところ、箸でもしっかりすくえる粒感があり、冷めていてももちもちとした食感を感じることができた。カレー、丼物など味がはっきりした料理はもちろん、オートミール独特の癖も少ないため和食との相性もいいという。

オートミール 和食との相性がいいオートミールごはん(商品発表会で記者撮影)

 発売に際し、同社は米のプロこと五ツ星お米マイスターの西島豊造さんに、「粒感しっかり オートミールごはん」の評価を依頼した。西島さんによると、日本のごはん文化は、ごはん食の大衆化をもたらした玄米、精米や炊飯技術の向上によって生まれた白米、健康志向の高まりから人気となった雑穀米と変化してきたという。「このオートミールごはんを初めて食べた際、雑穀でもない“第4のごはん”が登場したと感じた」とコメントした。

オートミール 玄米、白米、雑穀米に次ぐ“第4のごはん”(同社提供)

「第4のごはん」を目指すオートミール

 同商品は、従来のシリアル売り場だけでなく、お米売り場での展開も実施する。「これまでオートミールを食べたことがない消費者にも、主食の選択肢の1つとして手に取ってもらえるようにしていきたいです」(西村さん)

オートミール お米売場でも展開し、食卓への定着を図る(商品発表会で記者撮影)

 同社はこれまで「オートミール」「プロテイン オートミール」を販売しており、今回で3商品目を投入することになる。世界のシリアル市場でオートミールが占める割合は約20%。一方日本国内では約1割にとどまっている。「粒感しっかり オートミールごはん」を起爆剤に、国内の市場規模を世界レベルにまで引き上げること目指す。

 多様化する日本の食卓で、「オートミールごはん」は新たな主食として受け入れられるのか。

オートミール オートミールは新たな主食になれるか(商品発表会で記者撮影)

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