小腹がすいたときや、お酒を飲んだ後の締めに食べるものとして定番の「お茶漬け」。食欲がないときや、病気で体調が悪いとき、ご飯は食べづらくてもお茶漬けにしたら食べやすいという人も多いのではないでしょうか。 しかし、このお茶漬けに関しては「おかゆと同じで消化によい」という声がある一方で、「ご飯をよくかまずに飲み込むから消化に悪い」という声もあります。 お茶漬けは消化によいのか悪いのか、内科医の市原由美江さんに聞きました。
よくかまずに飲み込むと…
Q.お茶漬けは消化によいのでしょうか、それとも悪いのでしょうか。 市原さん「お茶漬けは一般的に、消化に悪いと言えるでしょう。食べ物に含まれる糖質は、唾液中の酵素などによって消化されていきます。お茶漬けには食物繊維があまり含まれておらず、糖質が大半なので、ご飯を食べるときと同じようによくかんで食べれば、消化によいと思います。 しかし、一般的にお茶漬けを食べるときは、よくかまずに飲み込む人が多いかと思います。そのような食べ方をすると、唾液中の酵素がほとんど働かないまま、食べ物が胃に送られることとなり、消化に時間がかかります。胃の中に食べ物が停滞する時間が長くなるので、消化に悪い食べ物ということになります」 Q.お茶漬けでご飯を食べるとき、普段の食べるご飯の量よりも多く食べられるような気になります。どのような要因があるのでしょうか。 市原さん「多く食べられるような気になるのは、脳にある満腹中枢が刺激されにくいからです。先述したように、お茶漬けは、よくかまずに食べる人が多いと思います。 人間は食べ物をよくかむと、満腹中枢が刺激されて満腹感を得られますが、お茶漬けはあまりかまずに飲み込むため、刺激が弱くなり、満腹感も得られにくいです。そのため、普段よりも多くご飯を食べてしまう可能性があり、食べ過ぎで胃腸に負担をかける恐れがあります」 Q.お茶漬けを毎日のように、よくかまずに食べ続けると、消化器系の病気になる可能性はありますか。 市原さん「消化器系の病気になる可能性はあります。消化に時間がかかり、胃での停滞時間が増えるため、胃酸が多く分泌されて胃の上部に上がり、胸焼けの症状が出やすくなります。その結果、逆流性食道炎になる可能性があります」 Q.お茶漬けは、どのように食べれば体に悪影響を与えないのでしょうか。 市原さん「基本的なことですが、流し込んで食べられるお茶漬けであっても、よくかんで食べることです。また、食べる量を普段よりも意識し、食べ過ぎないようにしましょう。この2つのことを守れば、毎日お茶漬けを食べても体に悪影響を与えるような問題は起きないでしょう」 Q.通常の食事でも、おかずやご飯が口に残っているとき、お茶などの飲み物を口に含んで飲み込むことがあります。お茶漬けを食べるときと似た状況ですが、口に食べ物が残っているとき、飲み物は口にしない方がよいのでしょうか。 市原さん「通常の食事であっても、お茶と一緒に食べ物を飲み込むと、あまりかまなくなるので消化には悪いです。唾液中の消化酵素の濃度も薄まるので、食事中にお茶などの水分を取り過ぎてもいけません。 ただし、食べ物を飲み込みにくい高齢者や子どもは、水分と一緒に食べたり飲み込んだりする必要もあるので、その人に合わせて食事方法を変える必要はあります」
オトナンサー編集部
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June 08, 2020 at 08:19PM
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食べやすいけど…「お茶漬け」は消化によい/悪い両論、実際のところは?(オトナンサー) - Yahoo!ニュース
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