「ジャガイモの芽には毒があるから食べてはダメ」と親御さん、もしくは学校の先生から教わった方は多いかと思われますが、「緑色に変色したジャガイモにも毒性がある」という事実はご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者で科学者のくられさんが、なぜジャガイモが毒性を持つに至るのかについて、科学的な視点から解説しています。
どうして青くなったジャガイモを食べてはいけないのか?
本日のテーマは「芋」です。
芋といえば、サツマイモとジャガイモが真っ先に思い浮かぶ人が多いと思います。しかし、サツマイモとジャガイモで大きく違うもの、それは芽の出たジャガイモは食べない方がよい…という話です。
ジャガイモの芽に毒があるというのを知っている人は多いかもしれませんが、緑になったジャガイモもあまり食べない方がよいというのはあまり知られてないかもですね。
とはいえ、緑になってるというのは、どうみても植物の葉緑素なわけで、緑になったら毒なのは本当なんでしょうか?ジャガイモの葉緑素は毒なんでしょうか??
というわけで、俗説的に知ってる人は多いけど「どうして毒性を持つのか」にはあまり目を向けられていない気がするので、今回はこの辺を科学的に解説していきましょう。
もともとジャガイモはかなりの荒れ地でも育つ強靱な植物で、荒れ地ならではの厳しい環境でも生き残る強い防御策をいくつも持っています。そのうちの1つが、地上露出した部分や傷ついた部分に、集中的にソラニンやチャコニンなどの配糖体アルカロイドを生産し、その毒性で身を守るという能力です。
また発芽した芽を狙われないように、芽にも同様の毒を生産することが知られています。この毒は「食われないように」というもので、非常に広域な昆虫や動物に対応した、かなり物理的な毒です。入り込んだ細胞の細胞膜を破壊するという、非常に単純ながら、多くの生き物に効果の高い、そんな毒となっています。
これを人間が摂取した場合だと、吐き気や嘔吐、下痢などで、致死量を超えると上記の激しい症状ののち、幻覚や昏睡、そして死に至ることもあります。これらのアルカロイドのTD(毒性量)は実に数mg/kg。なので60kgの成人であれば300mg前後という計算。
緑化した部分や芽には100gあたり100mg含まれているとされ、緑になったジャガイモを3、4個食べるだけで余裕で毒にあたります。
また、これらの毒はもともとなんでもないジャガイモにも含まれており、1kgあたり数十mgほど含まれています。
その大半が皮の部分に含まれているため、ジャガイモの皮は剥いた方が良い…という話にもつながるのですが、中毒量にはほど遠いので緑になってなければそのままでもOKです。そもそも一人で1kgも食べないし…という話です。
毒は毒性量に達しなければ毒性が出ないので毒ではないのです。逆に緑になったジャガイモや芽は可能な限り食べないように注意しましょう。
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June 17, 2020 at 02:36AM
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