Thursday, June 18, 2020

知っておきたい!おにぎり、美しく食べるマナー - 西日本新聞

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第3金曜は、さまざまな場面のマナーについて「インフィニ フィニッシング アカデミー」(福岡市)の副校長本多美智子さんにお助けいただきます。

 田植えの時季は地域によって異なりますが、多くは6月、ちょうど今頃までに行います。そこで今月のテーマは、日本人の食に欠かせないおにぎり。中に好きな具を入れていろんな味を楽しめる日常食です。その魅力と、おいしくいただくためのマナーを紹介します。

 国土の大半が温帯に属している日本は、3分の2を森林が占め、水資源や山からの恵みが豊富。稲作に適した土地が多くあります。古代、食料を求めて移住を繰り返していた人々は、稲作が伝わると、集落を形成して定住するようになりました。食料が安定的に得られるようになると、人口も増えました。米は集団生活に欠かせないエネルギー源だったのですね。

 豊作には自然条件に恵まれることが必須なため、人々は神様に天候の安定を祈りました。それらの儀式は、現在も続く祭りなどと深く結び付いています。相撲や、伝統芸能の能も、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る儀式がルーツにあるそうです。各地で歌い継がれてきた民謡にも、農作業をしながら歌った「田植え唄」や「米つき唄」が多くあります。

 人生の節目にも米を使った行事があります。出産後すぐに米を炊いて神様に供える「産立て飯」や、生後100日目の「お食い初め」は有名です。

 そんなお米で作るおにぎりにも、長い歴史があります。日本におけるおにぎりの原型とされているものの一つは平安時代、宮中行事の際に蒸した米を楕円(だえん)形に握ったもので「屯食(とんじき)」と呼ばれていました。「おにぎり」と呼ばれるようになったのは、江戸時代の頃です。旅や花見、芝居の幕あいに、携帯食としてよく食べられていたようです。

 作るときは、米粒をつぶさないように両手でやさしく持ち、手のひらの筋肉に力を入れてぎゅっと握ります。美しい三角形にするには、何度か作ってこつをつかむ必要があります。

 手のひらは「たなごころ」とも呼ばれ、おにぎりを握るのは、食べる人を思いながら「おいしくなれ、おいしくなれ」と愛情を入れる作業でもあります。作り手の心が宿っているのも、おにぎりの魅力ですね。

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 さて、おいしくいただくためには美しく食べることも大切。場所や一緒に食べるメンバーによっては、細かいことは気にせず「ぱくっと」もいいでしょう。しかし、最低限押さえておきたいことはあります。

 一つは、なるべく歯形が分からないようにすること。隣にいる人にとって、見た目の良いものではありません。一口食べたら次はその両端を食べてかみ口を水平にするか、半分に割って片方ずついただきます。半分に割ると食べやすくもなります。

 二つ目は、手に付いた米粒やのりを、人前で口に運ばないこと。顔を傾けて見えないようにしたとしても、手指をなめる行動は良い印象を与えません。手拭きを使いましょう。

 それから、お弁当などに入っている俵型おにぎりは、手づかみではなく箸でいただくのが原則です。

 おにぎりは「米粒一つも残さない」の精神を感じられる最も身近な食べ物かもしれません。食におけるマナーの根っこにあるのは、料理の作り手や農家の心に思いを致し、作物そのものの命に向き合うことです。たまにはそんなことを考えながらかみしめると、米のおいしさがいっそう染み渡ります。

 炊きたてのご飯を握ったものもおいしいですが、冷めても美味。おいしいおにぎりを食べて、皆さまに力が湧いてきますように!

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