アイスがうれしい季節ですが、冷凍庫から出して食べる際、硬すぎてスプーンが刺さらなかったり、歯が立たなかったりする「カチカチアイス」も存在します。ネット上では「スプーンが折れた」「鈍器のようだ」「なぜ硬い」などの声も聞かれ、多くの人が食べるのに苦労しているようです。「カチカチアイス」を無理なく、おいしく食べるコツはあるのでしょうか。アイスが硬い理由などについて、メーカーに聞きました。
添加物、乳製品不使用で硬くなった
井村屋が1973年に発売した棒アイス「あずきバー」は、特に硬いことで有名です。井村屋グループ(津市)の担当者に聞きました。
Q.なぜ「あずきバー」は硬いのでしょうか。
担当者「食感をやわらかくする添加物や乳製品を使用していないからです。また、空気をほとんど含まずに凍らせていることも、硬い要因の一つです。発売当初から現在まで、基本的な作り方や材料は変わっていません。なお、あずきの素材感を追求するがゆえの結果として硬くなったのであって、硬さを売りにしているわけではありません」
Q.食べやすい硬さにするには、どのようにアイスを保存するのがいいのでしょうか。
担当者「基本的には冷凍庫で通常通り保存してください。安定剤などの添加物を使用していませんので、冷凍庫から出したばかりのときは硬いですが、溶け始めるのは早いです」
Q.ホームページには「歯を傷めないようご注意ください」と書かれています。歯を傷めずに「あずきバー」をおいしく食べるコツはありますか。
担当者「(1)冷凍庫から出して常温で1分ほど置いてから食べる(2)冷凍庫から出して電子レンジの弱い出力で数秒温めて食べる(3)冷凍庫から出して電子レンジでしっかり温めて、ぜんざいにして食べる(4)ホットミルクに浸して食べる――4つの方法をお勧めします。
(4)については、あんこ好きで有名なフリーアナウンサーの川田裕美さんも勧めてくださっている食べ方です。『あずきミルク』になりおいしいです。いずれにしても、歯の丈夫さなど個人差がありますので、食べる際はお気を付けてお召し上がりください」
Q.「あずきバー」が最も売れる月について、教えてください。
担当者「7月です」
Q.「あずきバー」が硬いことについて、これまでに行った対策はありますか。
担当者「やわらかい『あずきバー』を販売したこともありましたが、まったく売れずにすぐに商品を廃止したと、当時の担当者から聞いております」
Q.「あずきバー」が硬いことについて、どのような意見が寄せられていますか。
担当者「時折『硬さが良い!』『硬すぎる!』などのご意見も頂きます。しかし、基本的には、あずきの優しい甘さなどについてご意見をお寄せになる方が多いです」
同じく、硬いことで有名な「ハーゲンダッツ」を製造するハーゲンダッツ ジャパン(東京都目黒区)の担当者に聞きました。
Q.なぜ「ハーゲンダッツ」は硬いのでしょうか。
担当者「アイスクリームの中に含まれる空気の量を20~30%に低く抑えているためです。その結果、密度が高く、冷凍庫から出したばかりのときは硬いです」
Q.硬い「ハーゲンダッツ」をおいしく食べるコツについて、教えてください。
担当者「常温に少し置くか、冷蔵庫に入れて1時間ほど待った後に食べていただくのがお勧めです。冷蔵庫に入れていただくと、ふんわりとした食感が楽しめます」
Q.過去にやわらかく食べられるように製造したことは。
担当者「ありません」
Q.「ハーゲンダッツ」が最も売れる時期について、教えてください。
担当者「12月です」
Q.井村屋さんの「あずきバー」とどちらが硬いか、比べたことはありますか。
担当者「ありません」
ちなみに、井村屋の担当者にも「『ハーゲンダッツ』とどちらが硬いか、比べたことはありますか」と尋ねましたが、こちらも「ありません」とのことでした。
(オトナンサー編集部)
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