真っ白な空間に座る女性。その向かいには男性が座っています。彼女はここがどこなのかも、男性の正体もまったく見当がつきませんでした。男性は「これ僕なんだけど」というセリフとともに食事を差し出して……。作者の練/選分つかむさんにお話を聞きました。
「僕を食べて」突然前の前に現れた男性はいったい？
真っ白な空間で、見知らぬ男性とふたりきりになってしまった女性。身に覚えのないシチュエーションに混乱するなか、男性は自らの身体を料理にして女性に差し出します。人間なんて食べられない、と拒絶する女性ですが、なぜか食べる手が止まらなくなり、涙を流してしまい……？
練/選分つかむさん（@kamaboko_tarou）による創作マンガ『「僕を食べてほしい」という男と、言われた女』がX（旧：Twitter）上で公開されました。いいね数は4.3万を超えており、読者からは「食べることや生きるというのは食べること。最後のページの力強さを見て美しさを感じました」「怖い話かと思ったけど、命の大切さが伝わるステキなお話だった！」「ふたつの命がひとつになる瞬間がとても神秘的に描かれてる！」などの声があがっています。
練/選分つかむさんは漫画家として活動しており、SNSにて作品を投稿しています。
作者の練/選分つかむさんにお話を聞きました。
ーー今作『「僕を食べてほしい」という男と、言われた女』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。
幼稚園のときに園長先生がお話をしてくれた「どうして月にうさぎがいるのか」という話のなかで、最終的に主人公（帝釈天）はうさぎを食べません。子供ながらに、どうして食べてあげないんだろうな、という釈然としない気持ちをもっており、それがこの話のベースになっています。もちろん、この帝釈天のお話の論点がそこではないことは理解しています。
ーー食事をとる女性と、それを優しく見守る男性の関係性がとても印象的でした。今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか？
こだわったポイントも好きなシーンも食事シーンの見開きです。この話は愛情や命をテーマにしており、その物語を感じ取れたらいいな、と要素を散りばめています。あと食べ物がおいしそうに見えるように頑張りました。
ーーコメント欄で「臓器提供者＝男性ってこと？」といった考察を、多くのファンの方がしています。そういったモチーフで作品を描いたのでしょうか？
そうですね。みなさまのお察しの通りです。伝わるかなぁと不安でしたが、みなさん読み解く力が強くてありがたいです。
ーーそのほかにも、たくさんの感想が寄せられていますが、特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えて下さい。
基本どれもうれしかったのですが、見開きのお花の種類を推察して、その理由を調べてくださった方には「すごいなぁ」と思いました。小さな要素に気づいてもらえるのは、やっぱりうれしいです。
ーー練/選分つかむさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
これ！ というのは本当に覚えていないんですが……。小学生のときにノートに描いたオリジナルマンガを友達に褒めてもらったのが、マンガを描くの楽しい！ となったきっかけだったように思います。
ーー今後、X（旧：Twitter）で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？
基本は長いお話を描いている最中に思いついた小話や、フラッシュアイデアを落とし込む場所として活用できればなと考えています。
（マグミクス編集部）
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