海の恵みと命の大切さを学ぶことを目的に、東京都足立区立弘道小学校(西綾瀬)の六年生が自ら育ててきたヒラメを食べるかどうかを話し合う授業が二日にあった。悩みながら出した結論は「食べる」。子どもたちは三日、ヒラメをしゃぶしゃぶにして味わい、命のありがたみを思った。(三宅千智)
「責任を持って育てたから最後まで食べよう」「海に帰して自由にしてあげたい」「食べるのはかわいそう」。ヒラメを食べるかどうかをクラスごとに討論した二日の授業。児童たちはあれこれと友だちと話し合っていた。
「陸上養殖プロジェクト」として、六年の二クラス五十二人は昨年九月から校内の水槽でヒラメ十匹を飼育してきた。餌やりや水槽の掃除などに汗を流し、六センチだったヒラメが一五〜二〇センチに育った。討論の後は最終的に多数決をとり、一組は「食べる」が十五人、「食べない」が十人。二組は「食べる」が十九人、「食べない」が六人だった。
授業の進行役で「NPO日本養殖振興会」(埼玉県幸手市)の斉藤浩一代表理事(54)は「人間は動物から命をもらって生かされている。食べるときに感謝を忘れないで」。上野詩未(ことみ)さん(11)は「大きくなっていくヒラメを見るのはうれしかった。命の大切さを考えながら食べることがヒラメのためにもなる」と話した。
三日、児童たちは斉藤さんが目の前でおろしたヒラメを実食。「おいしい」「感謝の思いで食べた」と話した。授業は日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環。弘道小や渋谷区立上原小など全国五つの小学校が参加した。
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