明石市を代表する名物「明石焼」について、明石観光協会が市民を対象にアンケート調査したところ「自慢や誇り」と回答した人は8割以上に上りました。
一方、食べる頻度については「直近1年間は食べていない」とか「半年に1回程度」といった回答が目立ち、観光協会は今後、市民向けのPR活動にも力を入れることにしています。
「明石焼」は、小麦粉や卵のほか、加熱してもかたくならない「じん粉(こ)」を混ぜて、柔らかい生地に仕上げ、だしにつけて食べるのが特徴です。
起源については諸説ありますが、明石観光協会によりますと「明石焼」は明治から大正時代にかけて誕生したとされ、その後、大阪にも伝わったことから、たこ焼きのルーツとも言われています。
明石焼は、地元では「玉子焼」と呼ばれて親しまれてきましたが、およそ30年前から、明石を代表する名物としてPRしようと「明石焼」の名称を使うようになりました。
2016年には、各地のご当地グルメを通じて地域の魅力を発信する「B‐1グランプリ」に「あかし玉子焼」として参戦しグランプリに輝いたほか、おととし(2022年)には、地域で長年受け継がれてきた食文化をPRする文化庁の「100年フード」にも選定されています。
明石観光協会は去年(2023年)10月、明石焼への意識や消費の実態を探ろうと、市内に住む20代から60代の市民に、インターネットによるアンケート調査を行い、519人から回答を得ました。
ふだんの呼び方について尋ねた項目では「明石焼」が79%だったのに対し、地元で慣れ親しまれている呼称の「玉子焼」と答えた人も18.8%いました。
また、明石焼を「好き」と回答した人は92.4%に上ったほか、「地元の自慢や誇りに思う」と回答した人は86.4%で、地元での根強い人気がうかがえます。
一方、明石焼を食べる頻度を尋ねたところ、「直近1年間では食べていない」との回答が28.4%と最も多く、次いで、「半年に1回程度」が20.4%、「2、3月に1回程度」が19.2%などとなっています。
明石観光協会は、身近にあることで、かえって日常的に食べる人が少ないのではないかと分析していて、今後、SNSなどを活用した市民向けのPR活動にも、力を入れることにしています。
明石観光協会の木村公輔さんは「今は明石焼の具材のセットも市販されていて、家庭で手軽にできます。食べる頻度を増やしてもらうためにも、さらに魅力を発信していきたいです」と話しています。
【明石市民に聞いてみた】
アンケート調査の結果について、地元の市民からはさまざまな受け止めが聞かれました。
明石市に30年ほど住んでいるという60代の男性は「明石焼は好きですが、年に2、3回ほどしか食べません。店に行くと観光客が多く並んでいることもあるので、あまり行かないです」と話していました。
明石市に半年ほど前に引っ越してきたという男性は「引っ越してきたばかりの頃はよく食べていましたが、最近はあまり食べていないです。身近にあると反対に食べなくなってしまうのだと思います」と話していました。
一方、ふだんから明石焼をよく食べているという女性は「明石焼きは2、3か月に1度は食べていて、きょうも店で食べてきました。“ソウルフード”なので地元の人も、もっと食べてほしいです」と話していました。
【店のお客は観光客中心】
明石観光協会によりますと、明石市内にはおよそ70の「明石焼」を提供する店舗が、あるということです。
このうち、JR明石駅の近くにある明石焼の店では、観光客などが訪れ、できたての明石焼をほおばっていました。
卒業旅行で茨城県から訪れたという女子大学生は「これから大阪に行くところですが、明石焼が食べたかったので立ち寄りました。ふわふわな生地でだしがきいていておいしいです。地元の人が、食べる頻度が少ないというのは意外です」と話していました。
店主の辰己典之さんは「お客さんは他府県からの観光客が中心なので、平日の昼間よりも週末や大型連休の方がにぎわっています。明石市のソウルフードなので、地元の人にももっと食べに来てほしいです」と話していました。
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