Sunday, March 24, 2024

食べるお茶?島桑葉茶のレシピブック!?【島ネタCHOSA班】 - 琉球新報デジタル

makanresto.blogspot.com

お茶は飲むものと思いきや、浦添市の特産品である島桑(シマグワ)の桑葉茶はもはや健康志向の食材だとか。桑葉茶料理の最近のレシピが知りたいです。

(那覇市 チャーナトガー)

そもそも浦添市の桑葉茶は「うらそえ織」養蚕事業の桑栽培を担う浦添市シルバー人材センターが見いだした付加価値の産物。

「てだ桑茶」と名付けられたその浦添市特産品を地元の「NPO法人あきみよ(代表理事棚原洋子)」が9年ほど前から、食べるお茶に転化して普及活動を続けています。今回、桑葉茶料理のレシピブックを発行したと聞いて取材しました。

味も彩りも健康も

まずはNPO法人あきみよ。なぜ、てだ桑茶を食材に捉えたのか―。同法人のプロフィルをひもときましょう。

「2012年に食、工芸、琉球伝統芸能の専門家たちが古き良き郷土の生活文化、歴史を掘り起こす志をもってNPO法人を設立しました」と、調理師資格を有する代表理事の棚原さん。同年、シルバー人材センターが県工業技術センター、国立沖縄高専からなる研究グループの協力を得て、てだ桑茶の焙煎茶タイプ・パウダータイプを地域密着型商品として販売。無農薬栽培100%シマグワの葉から、食物繊維、カルシウム、ビタミンB2など高い含有率を分析しています。

14年、棚原さんは市民大学でてだ桑茶に出合うのですが、特産品として十分に認知されていない課題に気付きます。その解決策を卒業研究のテーマとして「地域ブランドの構築」を発表。キャッチフレーズは“味も彩りも健康も桑に任せる暮らし上手“と銘打ち、NPOの強みとする食育事業を展開していきます。

NPOの食育事業

「公民館での料理講座や、浦添市社会福祉協議会の広報誌でレシピ情報を発信するなど、桑葉茶の食育事業を立ち上げた14年、われわれのNPOに食育のエキスパートを迎え入れました」と、棚原さん。調理師仲間で国際薬膳食育師の新屋敷奈津子さんが副理事として参加しました。

食育事業「桑茶そば作り、茶めし作り」を指導する新屋敷奈津子NPOあきみよ副理事=浦添市かりゆしセンター

17年に同NPOが主催したシンポジウムで、新屋敷さんはレシピ開発者として登壇。「食べるお茶レシピ」をテーマに培った料理技術を発表する大役を果たしました。同シンポジウムでは研究機関からシマグワの食後の血糖値上昇抑制効果も報告され、話題を呼びました。

これら桑葉茶料理の普及活動が実を結んだ令和5年度の「URASOE・桑レシピブック」発行。「旧暦の暮らしの節目を知らせる季節風に、レシピを織り交ぜて、”うらそえ流・食のカタチ“の体験ができるよう、ページをつづりました」と、編集意図を語る棚原さん。

レシピは旧暦をたどって、三月菓子、6月の桑茶グリーンカレー、中秋の桑茶だんご、11月のトゥンジージューシー、12月のムーチーなど、主菜から副菜、スイーツ、万能調味料の桑こうじまで26種を掲載。「中でも桑茶パウダータイプを練りこんだコシのある桑茶そばは、ぜひ作っていだたきたい」と、新屋敷さん。

調査員も今度の日曜日は、レシピブック片手に、桑茶だんごを作ってみようかしら―。

自分で作るワクワク感が体験できる桑茶そば
桑茶(焙煎茶タイプ)と米こうじで作った発酵調味料「桑麹」。これ一つで料理は優しい味わいに

「てだ桑茶」販売 株式会社沖縄美健販売

浦添市伊奈武瀬1-7-2
TEL 098-943-0623

レシピブック問い合わせ

NPO法人あきみよ
TEL 090-9472-4414

(2024年3月21日 週刊レキオ掲載)

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