名物「紅生姜チャーハン」をぜひ体験して欲しい
ども、下関マグロです。
2年くらい前、まだコロナ禍になる直前に、あるテレビ番組で「最強のチャーハンを決めよう」という企画がありました。
町中華やチャーハンに詳しい人が各方面から集められまして、そこでチャーハンのベストテンを決める会議をしたわけですよ。
そこで、僕が推していたのが、浅草橋にある上海ブラッセリーさんという町中華が提供している紅生姜チャーハンだったのです。
そのチャーハンについて説明する前に、まずはお店の外観を見てください。
すごいでしょ、「上海ブラッセリー」という看板がいい感じです。遠くからでもこちらのお店、目立つんですよ。迎えてくれたのが、こちらの方々です。
写真中央が店主の泰江卓朗(やすえ・たくろう)さん。左側がスタッフの平野剛生(ひらの・たけお)さん、右が同じくスタッフの久冨誠一(ひさとみ・せいいち)さん。
取材をさせていただいたのはランチが終了した14時。
この撮影をしているときも「まだやってますか」と次から次にお客さんがやってきます。泰江さんは「すみません、ランチはもう終わりなんです」と謝っています。多くのお客様から愛されているお店なんですね。
というわけで、お店に入ってみましょう。
少し前まではお客さんでいっぱいだった店内ですが、ランチが終了して今は誰もいません。けっこうおしゃれな店内ですよね。
メニューを見てみましょう。
こちらに注目してください。「チャーハンを無料でお付けします!」という素敵な文字がありますよ。
ランチ時、麺類を注文すると、一緒にチャーハンのサイズを聞かれます。
半・並・大・特盛りのどれかを申告すると、紅生姜チャーハンがすぐに提供されるのです。
特盛りにしても食べきれそうな味
まずはその4種類のサイズを見せていただきましょう。
どのサイズも同じ器で提供されます。器の大きさはお茶碗と丼の間くらいのサイズといったらいいでしょうか。
左から特盛り、大、並、半の順に並んでいます。真上の角度からだとちょっとわかりにくいでしょうか。横から見てみましょう。
特盛りサイズはギュと押し付けてあって、持ってみるとずっしりとした重さを感じました。
ちなみに、どのサイズを頼んでも無料なんですよ。
泰江さん:いちばん出るのは並ですね。ただ、若い女性でも特盛りを食べられる方もいますよ。
最初、この話を聞いたときにいくらなんでも特盛りは自分には無理だろうと思っていました。しかし、実際にいただいてみると、いや、意外とイケるかもと思いました。実際にはまだ試していないのですが……。
というのも、このお店のチャーハンは油っこくないんですよ。パラパラで、あっさりした味付けなんですね。紅生姜が爽やかさを増すいいアクセントになっているわけです。
チャーハンというよりは、炊き込みご飯に近い感覚ですね。
一口いただくと、もう一口……という具合に無限連鎖で食べ続けたくなる感覚なんですね。
味の秘密は紅生姜の「水抜き」
と、スタッフの平野さんが紅生姜チャーハンを作り始めました。
夜の営業用に作っているようです。ちなみに夜、紅生姜チャーハンは880円で提供されています。
その紅生姜チャーハンですが、途中までは一般的なチャーハンの作り方と違いはありません。
中華鍋に油を入れ、卵を入れたら、ご飯を入れて強火で炒めていきます。ご飯をある程度炒めたところで、紅生姜が投入されます。細かく刻まれた紅生姜が用意されていますね。ザザザーと紅生姜を入れたら再び鍋を煽りながら炒めます。
筆者もこちらの紅生姜チャーハンを自宅で試しに作ってみたのですが、なかなか同じ味にならないんですね。
パラパラにならずベッチャリして、そんなに紅生姜の量を入れていないのにけっこう紅生姜の味が強く出てしまうのです。
泰江さん:それはたぶん「水抜き」していないからじゃないですかね。まず紅生姜の漬け汁を捨てて、紅生姜そのものもよく絞って、きっちり水を切ってから刻みます。これをしないとチャーハンが真っ赤になって、紅生姜の味が強くなりすぎちゃうんですよ。
あー、なるほど。それで、こちらの紅生姜チャーハンはけっこう紅生姜が入っていてもそんなに紅生姜が主張してこないんですね。
ちなみに紅生姜チャーハンは大きなジャーで保存されています。そのため注文から提供されるまでの時間はあっという間なんです。
お店のルーツは鶯谷の町中華
それでは、ラーメンと紅生姜チャーハンをいただきましょう。
▲ラーメン(750円)ランチサービスの紅生姜チャーハン大は無料
紅生姜チャーハンのサイズは大です。
注目すべきはこのラーメンのビジュアル。分厚いチャーシュー、ナルト、小松菜、メンマ、ネギ。どこか、昔ながらの中華そばという感じですね。
いただいてみると、まさに見た目どおりの昔ながらの醤油ラーメンです。上海ブラッセリーという店名とはちょっとかけ離れた、いわゆる老舗町中華の懐かしい味わいなんです。スープのやさしさのなかに、醤油の力強さを感じるようなスープです。
これは本当に紅生姜チャーハンに合うラーメンですね。
泰江さん:このお店(上海ブラッセリー)がオープンしたのは1995年なんですが、それ以前、私は鶯谷駅の駅前にあった「菜来軒(さいらいけん)」という町中華を手伝っていました。菜来軒は親父が創業して、兄が継いだのですが、今はもうありません。当店のラーメンなどのメニューは、菜来軒のものをそのまま出しています。
なるほど、それでラーメンは昔ながらの懐かしい町中華の味なんですね。
ランチ時にいちばん注文の多い麺といえば何でしょう?
泰江さん:味噌ラーメンです。これも鶯谷の菜来軒で出していたものと同じ味なんです。
こちらの味噌ラーメンで使っている味噌は、数種類の味噌をブレンドし、さらに以下の材料を入れているんだそうです。
- 玉ねぎ
- りんご
- セロリ
- 人参
- 生姜
- ゴボウ
- にんにく
- しいたけ
これらの材料を、バターとお酒、味噌と煮込んで作っているのだそうです。
そして、具材はこんなものが入ります。
こんなに野菜が入るのですね。では、作っていただきましょう。
▲味噌ラーメン(930円)
あっという間にできあがった味噌ラーメン。
スープをいただいてみますと、なんともいえぬ深くて複雑な味わいです。実は町中華のなかには自家製のブレンド味噌にこだわっているお店がけっこうあって、味噌ラーメンだけではなく、ホイコーローなどいろいろな料理に使われていたりします。
ランチ時、よく上海ブラッセリーさんへ紅生姜チャーハンを食べに出かけるわけですが、いつも迷うのはどのラーメンにしようかというものです。
先ほどの醤油ラーメンも紅生姜チャーハンとベストマッチなんですが、味噌ラーメンと合わせるのも捨てがたいのですよ。
ぜひ皆さんも上海ブラッセリーさんの紅生姜チャーハンを食べに行ってみてください。
撮影:平山訓生
※この記事は感染対策を行なったうえで取材したものです。
お店情報
上海ブラッセリー
住所:東京都台東区浅草橋1-1-8 丸正ビル1F
電話番号:03-3863-5311
営業時間:月曜日~金曜日: 11:30~14:00、17:30~23:00 (料理L.O. 22:00)土曜日: 11:00~14:00、17:30~22:00(料理L.O. 21:00)
定休日:日曜日、祝日
書いた人:下関マグロ
1958年生まれ。山口県出身。出版社、編集プロダクションを経てフリーライターへ。『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『歩考力』(ナショナル出版)、『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、に『ぶらナポ 究極のナポリタンを求めて』(駒草出版)など著書多数。
からの記事と詳細 ( 一度食べるとヤミツキになる「紅生姜チャーハン」を食べてきた【名店の町中華】 - メシ通 )
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