外尾誠
福岡県大牟田市の飲食店などが、全国発送が可能な商品の開発や改良などを行い、発表会を開いた。新型コロナ禍で客足が遠のき苦境が続く中、販路拡大で活路を開く試み。10事業者の代表らが味や保存、包装の工夫などを披露しあった。
10社は、市が昨年募った「ウィズ・アフターコロナ新商品開発支援事業」に手を挙げ、上限50万円の補助金を使って取り組んだ。発表会は4月18日に市保健センターであった。
「和風ダイニング 蔵羅（くらら）」（東新町1丁目）は人気のもつ鍋とクリームパスタのソースを冷凍食品に。代表の江崎恵一さんは「（コロナ禍による）休業で悩んだが、開発の時間ができたと思い頑張った。全国の人に味わって欲しい」。
「プチ・レストランやながわ」（久福木）は、特産の三池高菜と有明ノリを使った「食べるラー油」を開発。オーナーシェフの柳川幸徳さんは「高菜を大きめに切り、食感を出した。ご飯にもお酒のつまみにもぴったり」とアピールした。
大牟田名物の草木饅頭（まんじゅう）の老舗「江口栄商店」（草木）は、保存料や防腐剤などを使わない製法を維持したまま、消費期限を従来の3日から1週間に延ばした。専門機関の協力で密閉包装の工夫を重ねた成果という。香山眞理子社長は「帰省が難しい中、ふるさとの味を送ってほしいというニーズに応えやすくなる」と笑顔をみせた。
このほか、手作りスープやジェラート、焼き菓子などもあり、商品や事業者の連絡先などの情報を市ホームぺージに掲載している。
市は今年度も同様の事業を続け、5月27日まで事業者の申請を受け付けている。問い合わせは市産業振興課（0944・41・2525）へ。（外尾誠）
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