Sunday, October 22, 2023

おいしく食べるためのアート - 中国新聞デジタル

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 ビートルズ時代のジョージ・ハリスンは自分の曲にタイトルを付けるのが苦手だったらしい。仮歌の段階はリンゴの品種名を当てていたとの逸話が残る。そういえばビートルズが設立したのも青リンゴのイラストでおなじみのアップル・レコード▲四半世紀前の今時分、英国を訪れたことがある。赤、緑、黄と、青空市に並ぶリンゴの多彩さと量に驚いた。日本と違って、クッキングアップルと呼ばれる料理や菓子向けの品種も多い▲英国で最も親しまれている果物だろう。広島県立美術館で開催中の特別展「おいしいボタニカル・アート」に並ぶ英国キュー王立植物園の所蔵作品もリンゴが最も多かった。みずみずしくて思わず手を伸ばしたくなる▲ボタニカル・アートは生き写しの腕前が見せどころの植物画。英国に世界中の植物が持ち込まれた17世紀の大航海時代、分類や図版に使われ発展した。展示には、安全においしく食べるために生まれた芸術―との視点も。食いしん坊には腹に落ちる▲美術館を後にして街中に立つ市(いち)をのぞく。山や島の幸が集まる「むすぶマルシェ」。庄原市高野町から届いたリンゴを見つけた。中国山地でも深まる秋に欠かせぬ味覚である。

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