中日の立浪和義新監督(52)が29日、正式に誕生した。11日に打診を受けていたが、この日、名古屋市内のホテルで大島宇一郎オーナー(57)から就任要請を受けて受諾。会見で「とにかくチームを強くする。選手には勝ちへの執念を植え付ける。勝つために妥協はしない」と抱負を語った。
契約期間は3年で年俸1億円(推定)。また、来季1軍コーチングスタッフも発表された。
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濃紺のスーツにブルーのネクタイを締めた立浪新監督が、強竜打線復活に力を込めた。
「打つ方は1年間打てない言われましたが、必ず何とかします。試合に対する勝ちへの執念を選手に植え付けたい。勝つ野球をする。そのために妥協はしません」
球団最多の通算2480安打を放ったバットマンは、今季12球団ワーストの405得点に終わった野手陣について言い切った。「今年レギュラーで出ている中で本当にレギュラーと呼べる選手は4、5年以上規定打席に立っているビシエドと大島2人。後は競争になる。やってもらいます」。これまでレギュラー格として出場してきた高橋周、京田、木下拓らも若手らと横一線でレギュラー争いをさせることを明かした。
陣頭指揮を執るのは11月4日から。チームは同日からナゴヤ球場で秋季練習に突入し、新体制でのスタートを切る。「基本は個々のレベルアップ。我々を納得させないと使えない。その形を選手に作って欲しい」。投手と野手の練習時間帯を完全に分け、立浪新監督は全員に目を配り、チェックしていく。11月3日までは自主練習期間に設定した。「疲れを取るのも1つ。来年に向け、反省し、どうやっていくかの(考える)期間でもある。4日からハードな練習が始まる準備も。はき違えないようにやってもらいたい」と、厳しい口調で続けた。
チーム強化へ、もちろん大砲取りにも積極的だ。ビシエドの契約延長が明らかになったが、外野を守れる新助っ人の調査を推進。1軍投手コーチ就任が発表された大塚晶文国際渉外担当をすでにドミニカ共和国へ派遣。自らも映像を確認し続けている。「ようやくスタートラインに立てた。腹を据えてという信念でやっていく決意です」。レジェンド指揮官は、実りの秋の先にある来季開幕を見据えていた。【伊東大介】
◆立浪和義(たつなみ・かずよし)1969年(昭44)8月19日生まれ、大阪府出身。87年にPL学園主将として春夏甲子園を連覇し、同年ドラフト1位で中日入団。1年目から新人王に輝く活躍で88年のリーグ優勝に貢献。03年に2000安打を達成して名球会入り。09年に引退。通算2480安打は歴代8位、487二塁打は同1位。ベストナインを2度、ゴールデングラブ賞を5度獲得。13年WBCで侍ジャパン打撃コーチ。19年には野球殿堂入り。現役時代は173センチ、70キロ。右投げ左打ち。
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