動物園や水族館にはさまざまな生きものがいる。その魅力(みりょく)を探ろう。
2021.10.29 11:00
海草をもぐもぐ食べるセレナ。まわりを魚が泳ぐ
日本の水族館にただ1頭だけのジュゴン、セレナの食事の時間。フェンスのような網目の板が水面から水中に落とされる。板にはたくさんの海草が生えたようになっている。プールの底に着くと、セレナが海草をもぐもぐ、もぐもぐ食べる。
三重県鳥羽(とば)市の鳥羽水族館。「牛が草を食べるときみたいでしょ。同じ海の哺乳類でもイルカが魚を元気よく食べる感じとはちがいます」
担当の半田由佳理(ゆかり)さんが説明してくれる。たくさんの魚がいっしょなのは、ジュゴンが草食だからだ。
セレナは2年前、ジュゴンの飼育の世界最長記録をつくり、毎日、記録をぬりかえ中だ。飼育で大変なことはなんですか?
「ほかに飼育している水族館が海外の1館だけなので、体調をくずしたときなど、情報交換する相手がいないんです」
治療はかんたんではない。イルカはえさの魚に錠剤を入れられるけれど、海草にはそれはできない。
体調が悪くなると、ぼんやり浮いて動かなくなったりする。「消化不良や便秘の場合が多いので、ダイバーが入っておなかをマッサージしたり、いっしょに運動したり。それで回復してきました」
自然界のジュゴンは、海に土砂が流れこんだだけで、海草がだめになって、生きていけなくなる。日本では沖縄の海にいるけれど、だいじょうぶだろうか。(文・写真、佐々木央)=2020年8月配信
セレナは一緒にいる魚にはあまり関心がなさそう
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