鉛は安価で加工しやすく、鉛製の銃弾はシカなどの捕獲に広く使われる。有害鳥獣対策として猟銃による捕獲は必要だが、鉛弾が死んだシカの体内や環境中に残ることによって、結果として他の野生生物の命が奪われる問題が続いているのだという。
「河川沿いに弱ったオジロワシがいる」
2023年2月、民間の研究機関「猛禽類(もうきんるい)医学研究所」(北海道釧路市)に環境省の出先機関から連絡が入った。斉藤慶輔代表が道南地域の現場に駆けつけると、1羽のオジロワシが翼を上げられずにうずくまっていた。オジロワシは国の天然記念物で、絶滅危惧種だ。
抱き上げると胆汁を含んだ緑色のふんが肛門の周りにべったりと付いていた。搬送中も脳の障害によると思われる「ギャッ」という奇声を何度も上げた。いずれも鉛中毒特有の症状だという。
血液中の鉛濃度を測ると、検査機器は高濃度で測定限界を示す「HI(ハイ)」を示した。胃を洗浄するとシカの体毛と水鳥猟に使われる鉛散弾が出てきた。治療を尽くしたが、このオジロワシは数日後に死んだ。
鳥類の鉛中毒が国内で特に問題視され始めたのは1990年代以降だ。90年には…
からの記事と詳細 ( 鳥類の鉛中毒なくせ 猟銃被弾のシカなど食べる「2次汚染」リスクも - 毎日新聞 )
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