運動前には何を食べるべき?
運動前に食べるべきものは、運動の種類によって変わってきます。
例えば、高強度インターバルトレーニング(HIIT)、ウェイトリフティングなどの高強度の激しい運動を行う場合は、吸収しやすく、血糖値を素早く上昇させてくれる炭水化物(インスタントオーツやスポーツドリンクなど)が効果的です。
実際、イギリスの健康補助食品会社「ヘルススパンエリート」の栄養部長ロブ・ホブソン氏も、筋トレなどの通常の運動や高強度の運動の前には、ピーナツバターを塗ったトースト、オートミールスムージー、バナナなど、消化が良くてすぐにエネルギーになるものを食べるよう勧めています。
逆に長距離走などの低強度で持久力が求められる運動を行う場合には、血糖値を緩やかに上昇させる炭水化物(全粒粉、サツマイモ、豆類など)が効果的だと言われています。
もちろん、炭水化物以外の栄養素にもそれぞれのメリットがあります。
イギリスの栄養食品会社「マイプロテイン」の栄養士であるジェイミー・ライト氏は、「良質なタンパク源の摂取が、筋肉の分解を防ぎ、運動後の回復を早める可能性がある」と指摘しています。
ただし、「運動前にタンパク質を摂取すると消化不良を起こす人もいるので、通常は運動前でなく、運動後に摂取することをお勧めする」ようです。
つまり、運動前には運動の種類に合った炭水化物を摂取し、運動後にはタンパク質を摂取するのがベストだと言えますね。
では、運動前のどのタイミングで炭水化物を摂取すべきでしょうか?
一般的には、運動の2~3時間前に食事をする必要があると言われてきました。
この点、ノースカロライナ大学(University of North Carolina)の2000年に行われた研究では、6時間前の食事と3時間前の食事の効果が比較されました。
その結果、3時間前の食事の方が、その後の運動において高いパフォーマンスを発揮できたようです。
このことからも、やはり運動の2~3時間前に炭水化物を摂取するのが一番効果的だと分かります。
次に、「いくつかの栄養素の中でも、炭水化物が特に運動前に効果的な理由」について考えましょう。
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