《目次》
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「健康食品」という観点から見れば、トマトは非常に優れた食べ物のひとつです。味はさっぱりしていて低カロリー(中サイズ1個で約22kcal)、その上ビタミンA*、C、Kなど身体にいいビタミンが豊富に含まれています。さらにカリウムや食物繊維など、トマトに含まれる栄養成分は実に好バランスであり、まさに「現代人の食生活にふさわしいの食材」と言えるのです。
*「ビタミンA」と言っていますが、これはトマト100g内に約540μg含有(出典:日本食品標準成分表 2020年版)していることが報告されている「β-カロテン」が、体内で「ビタミンA」へと変換され作用することから。よって前述では、「ビタミンA」で記載しています。
この「β-カロテン」とは緑黄色野菜に含まれる橙色の色素成分であり、昔から重視されています。両末端にβ環を持つ最も一般的なカロテンであるこのβ-カロテンは、体内でビタミンAに変化することから「プロビタミンA」とも呼ばれています。また、身体が必要としているときだけビタミンAに代わるものとされているので、ビタミンAの摂りすぎの心配もないというわけです。
ただし実は、トマトよりもβ-カロテンの含有が多い野菜・果物類はたくさんあります。例えばニンジンなら100g内に約8600μg含有(出典:日本食品標準成分表 2020年版)と桁違いに多いのが現実。とは言えトマトのこの含有量を表で比較してみれば、野菜にしては多いほうに属することが確認できるでしょう。
そんな「β-カロテン」はビタミンAに変換されて作用することから、生体内では皮膚や粘膜の健康を維持に貢献したり、光刺激反応に重要な役割を果たすなど、さまざまな細胞の増殖や分化に寄与し、さらにビタミンAとしての機能以外でも活性酸素を取り除き酸化の働きを抑え、および免疫賦活作用(身体の免疫を活発にすること)などがあることが報告されています。
しかし、ここでひとつ知りたいことがあります。それはトマトが、「ケトダイエット」にふさわしい食べ物か否かということ。トマトはたいへんヘルシーな食べ物なので、ケトダイエットにも完璧と思いますよね?
■「ケトジェニックダイエット」とは?
…十分な量のタンパク質と上質な脂肪を摂取し、炭水化物を可能な限り避ける食事療法のひとつです。「ケトジェニック食」「ケトン・ダイエット」などとも呼ばれています。
◇ トマトに含有する「リコピン」の効能と3つの効果
トマトの赤い色のもとになっている成分、「リコピン」にも注目してください。この成分は植物などに含まれる赤色やオレンジ色の「カロテノイド(色素成分)」のひとつであり、β-カロテンなどの仲間に当たります。この「リコピン」も前立腺を保護し、皮膚のダメージや老化の原因となる活性酸素を減らす効果があることが研究によって報告されています。
【1】リコピンを効率良く摂取するには加熱がおすすめ
おまけにトマトを加熱して調理すると、「リコピン」の吸収率レベルが上がることもわかっているので、新鮮なトマトソースやトマトペースト、さらにトマトケチャップでも、トマトが持っている効果はさらに高めることができるというわけです。
【2】血管疾患のリスク軽減への期待
日本の研究者によると、トマトには血流中の脂質を分解する働きがあって、脳卒中や心臓病といった血管疾患のリスクを減らすのに役立つことがわかったそうです。
【3】トマトの「リコピン」とオリーブオイルは相性抜群
トマトに含まれるリコピンには、加熱に強く油に溶けやすい性質があることもわかっています。「トマトとオリーブオイルを同時に摂取すると、動脈硬化を引き起こす心筋梗塞などの心血管疾患の予防効果の期待を得られる」という研究も報告されているのです。
また、スペイン・バロセロナ大学医学部の研究チームは平均年齢28歳の男女40人を(下記)3つのグループに分け、食前と食後6時間後に血液を検査し、心血管疾患への影響を比較しました。
- 「生のトマト」を体重1kgあたり7.0g
- 「トマトソース」を体重1kgあたり3.5g
- 「オリーブオイルで調理したトマトソース」を体重1kgあたり3.5g
その結果として、「オリーブオイルで調理したトマトソースを食べた」場合に、総コレステロール値が最も低下することが報告されています。
またオリーブオイルには、1価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」が豊富に含まれ、コレステロール値を下げる効果も期待できます。そのオリーブオイルに含まれる「オレイン酸」と、トマトの「リコピン」を同時に摂取することで、コレステロール値が下がりやすくなり、「リコピン」の身体への吸収も高まると考えられています。
◇トマト100gに含まれている栄養成分量
文部科学省が公表している『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』で、再び詳細に確認してみましょう。これを見れば、トマトには栄養成分がバランス良く含まれていることは明確です。ではここに、トマト100gに含まれている代表的な栄養成分量を抜粋します。
- 食物繊維:1.0g
- カルシウム:7mg
- カリウム:210mg
- β-カロテン(ビタミンA):540μg
- ビタミンK:4μg
- ビタミンC:15mg
- ビタミンE(αトコフェロール ):0.9mg
- ビタミンB1:0.05mg
- ビタミンB2:0.02mg
◇トマトを食べることのデメリットはあるの?
トマトのような慣れしたしんだ美味しい野菜は、「悪い評判の犠牲にはならないだろう…」と考えるのは早合点というもので、「トマトなどのナス科の野菜や果物は、一概に身体に良いとは言えない。炎症を引き起こす可能性がある」と主張する人もいます。
ですが、米国イリノイ工科大学が2014年に行った研究で、被験者に2種類の食事(トマトが入ったものと入っていないもの)を摂ってもらったところ、トマトの入った食事をとった後は、被験者の炎症レベルが大きく下がったことがわかりました。
とは言え、人によっては「身体が冷えたり」、「消化が悪くなる」といった症状が出てくる可能性もありますので身体に良いと思っても、食べ過ぎには注意が必要です。何事も、適量とバランスが大切ということです。
◇トマトは「ケトダイエット」にぴったりの食べ物!?
では、「ケトダイエット」中の人がトマトを食べても本当に大丈夫なのでしょうか? これこそが、栄養学の専門家にぜひとも答えてもらわなけれればならない疑問です。
Q.ケトダイエットでトマトを食べてもいいんですか?
「答えはOKです。トマトはケトですので」と答えてくれたのは、管理栄養士で『よい食べ物、悪いダイエット』の著者でもあるアビー・ランガー先生です。「トマトは低糖質なので、ケトダイエットにはぴったりです」とのこと。
「もしあなたが、「ケトダイエット」をやっているのであれば、目標は“ケトーシス(タンパク質と炭水化物の摂取量を減らすことで脂肪を燃焼させる)状態”になることでしょう。その場合、あなたが摂取するカロリーに占める炭水化物の割合を10%に抑えなければならず、この状態を保つためにはあなたが1日に取れる炭水化物は、20~30gということになります。トマト1個に含まれる炭水化物はせいぜいその1/4なので、それほど気にする必要はありません」と、ランガー先生は説明します。
ですから、「ケトダイエット」でもどうぞトマトをお召(め)し上がりください。1個でも、なんなら3個でも…。
Source / Men's Health US
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。
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からの記事と詳細 ( トマトを毎日食べるべき、期待できる健康効果|「リコピン」の効能を解説 - Esquire )
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