想像を超える渡り鳥の「過食」から、食べると一部の臓器が大きくなるヘビまで
何かとごちそうを食べる機会の多い秋。つい食べすぎてしまう、という向きも多いのでは。 【動画】世界一はらぺこの鳥、ハチドリ おいしいものに自然と手が伸びてしまうのも、食べすぎてしまうのもよくあることだ。けれど、人間以外にはどんな動物が大食いをするのだろうか?
休まずに10日間飛び続ける渡り鳥
鳥は、海や砂漠を越える際、長時間休まず飛び続けなければならない。その前に多くの鳥が食いだめをする、と米オレゴン州立大学の野生生物生態学者ダニエル・ロビー氏はメールで教えてくれた。この激しい摂食を、科学者は「過食(hyperphagy)」と呼ぶ。 体重あたりで言えば最も長い距離を渡る鳥の1つ、ズグロアメリカムシクイは、渡りの前にエネルギーを補給しないと深刻な事態に陥る。体重12グラムほどしかないこの小さな鳥は極北のアラスカで繁殖し、毎年、米北東部ニューイングランド地方に飛んでくる。そこで、大西洋の向こうのベネズエラに向けて休憩なしの80時間の渡りを行う前に、「脂肪を除いた体重と同じ量まで脂肪を蓄えて体重を倍増させる」と、ロビー氏は話す。 同様に、体重300グラムほどのオオソリハシシギは脂肪を蓄えて体重を倍増させ、アラスカからニュージーランドまで、休むことなく10日間も飛び続ける。これは、動物がノンストップで移動した距離としては最長記録だ。 北極圏に生息するカラの仲間たちは、長い冬の夜でも凍えないよう、体温を保つのに十分な脂肪を蓄えるため、膨大な量を食べる。 こうした鳥たちは、人間とは異なり、本当に食べすぎているわけではない。時には激しい運動を伴う長い絶食期間を乗り切るために、脂肪を十分に蓄えているのだ。 「その意味で、『過食』は多くの鳥にとって必要不可欠な適応なのです」とロビー氏は話す。
普段から大食らいな動物たち
一方、普段から大食いの動物もいる。 現存する地球最大の動物、シロナガスクジラは、1日に4トンのオキアミを平らげる。多いようにも聞こえるが、200トンにもなる体重を考えれば、高い比率ではない。 対照的に、英国に生息するヨーロッパヒメトガリネズミの体重は30グラムにも満たないが、「体重の1.25倍の量」を食べる、と米オクラホマ州にあるフォートヘイズ州立大学名誉教授のエルマー・フィンク氏は言う。 一般的に、食事の量を体の大きさと比較すると「小型動物の方が大型動物よりも多くなります」と同氏は話す。 例えば、体長10センチ、体重5グラムほどの小さなハチドリは代謝が速く、毎日体重の約2倍の蜜を摂取する必要がある、とフィンク氏は言う。ハチドリのように羽を速く動かし続けるには、多くのエネルギーが必要なのだ。飛んでいる時、ハチドリの心拍数は毎分1200回にも及ぶ。人間の安静時の平均心拍数は、毎分60~100回、最大でも200回程度だ。 他にも大型ネコ科動物などが大食いをするが、食べる頻度は高くない。「野生の大型ネコ科動物は、毎日獲物をしとめるわけではありません。そのため、食べない日もあります」と米フロリダ州タンパにある大型ネコ科動物の保護施設「ビッグ・キャット・レスキュー(Big Cat Rescue)」のスーザン・バス氏は話す。一方、大きな獲物をしとめると何日もかけて食べたり、肉を保管して後で食べたりもする。 「ヒョウは、他の捕食者から獲物を守るために、自分の体重の2倍以上もある動物を携えて木に登れます」とバス氏は話す。 ビッグ・キャット・レスキューのメディアプロデューサー、アフトン・タスラー氏は、トラは一気に15~40キロも食べられるという。これは「獲物を群れで分け合う」ライオンよりも多い量だ。
からの記事と詳細 ( 毎日体重の倍食べるものも! 超大食らいな動物たち(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース )
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