UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は28日、グループリーグ第2節を各地で行い、過去最多13回の欧州制覇を誇るレアル・マドリー(スペイン)が初出場のシェリフ(モルドバ)に1-2で敗れた。聖地サンティアゴ・ベルナベウで大番狂わせ。R・マドリーは今季の公式戦初黒星となった一方、シェリフは開幕節のシャフタール戦に続く2連勝でグループ首位に躍り出た。
R・マドリーにとっては、改修中のサンティアゴ・ベルナベウで2シーズンぶりの欧州CL。カルロ・アンチェロッティ監督は現状のベストメンバーと言えるFWカリム・ベンゼマ、FWビニシウス・ジュニオール、MFフェデリコ・バルベルデをピッチに送り込んだほか、MFエドゥアルド・カマビンガが欧州CL初先発を果たした。
試合はR・マドリーが優勢を保ち、シェリフが守るという構図。ところが前半25分、先に試合を動かしたのはアウェーのシェリフだった。
最終ラインからの丁寧なビルドアップでR・マドリーのプレッシングをかわし、長短のパスから左サイドをDFクリスティアーノ・ダ・シウバが攻め上がると、左足クロスがファーサイドへ。これに反応したFWジャスールベク・ヤクシボエフが高い打点から強烈なヘディングシュートを突き刺した。
シェリフはこれがファーストシュート。完璧な弾道に名手GKティボー・クルトワもノーチャンスだった。
その後もR・マドリーが攻め続ける展開は変わらず、ベンゼマやビニシウス、MFカゼミーロが多くのシュートを放つ。ところがアウェーチームの自陣ペナルティエリア内で守ることもいとわない割り切った姿勢が功を奏し、前半はシェリフの1点リードで終わった。
それでも迎えた後半18分、R・マドリーはペナルティエリア左で相手2人と対峙したビニシウスがエラシコでかわした際、足を引っ掛けられて転倒。3分前にもビニシウスはエリア内での厳しいチャージを受けており、スタンドから大ブーイングが降り注ぐ中、プレーが切れた場面でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入した。
VARの助言を受けた主審がピッチ脇モニターでオンフィールド・レビューを行った結果、ファウルが認められてPKを獲得。これをベンゼマが落ち着いて決め、攻め続けていたR・マドリーがようやく同点に追いついた。
R・マドリーは同点とした直後、負傷離脱していたMFトニ・クロース、FWルカ・ヨビッチ、FWロドリゴ・ゴエス、MFルカ・モドリッチを一挙に投入する攻撃的采配を敢行。攻勢ムードを盛り立てた。だが、懸命に守備を固めるシェリフをなかなか崩せず、時間だけが過ぎていった。
そして後半44分、最後に歓喜を迎えたのはシェリフだった。右サイドからのスローインでペナルティエリア右を攻め込むと、うまくボールを収めたMFアダマ・トラオレからの浮き球パスを受けたMFセバスティアン・チルがダイレクトで左足を一閃。ボレー気味に放たれたミドルシュートがゴール左隅へ真っ直ぐに突き刺さり、シェリフが勝ち越しに成功した。試合はこのままタイムアップ。R・マドリーは開幕9試合目でまさかの黒星を喫した。
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