Thursday, September 16, 2021

食べる宝石「樹上完熟トマト」が示す農業の未来 - 日経ビジネスオンライン

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日本には、その土地の気候風土に根差した個性豊かな食材がたくさんあり、その裏には、必ずそれに携わった作り手がいます。私は、農林水産省で働きつつ、休日はそのおいしさの源である産地へ出向き、作り手の声に耳を傾けた上で、その食材を料理し、伝えることをライフワークとしています。この連載では、まだまだ知られていないおいしい食材を一つひとつひもときながら、レシピと共にお伝えします。

 第6回のテーマは「トマト」

 トマトは日本で一番愛されている野菜です。様々なメディアの「好きな野菜ランキング」でも上位を獲得していて、種苗会社が毎年8月31日の「野菜の日」に公表している「野菜と家庭菜園に関する調査」によると、2021年度の「大人が好きな野菜」の第1位はトマト。子どもが好きな野菜ではなんと10年連続の首位を守っているそう。

 人気のほどは産出額からもうかがえます。令和元年の野菜産出額は全体で2兆1515億円ですが、その割合として最も大きいのはトマト(10%、2154億円)です。総務省家計調査を見ても、年間のトマトの支出金額は1世帯当たり8000円前後と、2000円前後のピーマンと比べて、いかに日本人がトマトにお金をかけているかが分かるというもの。

野菜産出額の中で1位を占めるトマト

野菜産出額の中で1位を占めるトマト

 トマトは北海道から沖縄県まで全国に産地があり、通年生産が可能。生産現場は品質を競い合っています。全国に素晴らしいトマトがありますが、最近、私が「これはお取り寄せする価値あり!」と感じたのが山形県最上町の農家「とまとやよずべぇ」の小野貴之さんが手がけるトマトです。独特な味わいはどのようにして生まれるのか。小野さんからお話をうかがいました。

まるで宝石箱のようなトマト

 私が、初めて小野さんのトマトを口にしたのは、山形に住んでいる元同僚が贈ってくれた「トマトジュース」でした。

トマトを絞っただけのストレートタイプの完熟トマトジュース

トマトを絞っただけのストレートタイプの完熟トマトジュース

 ゴクゴクと飲むと、身体に染み渡るうま味と甘味が押し寄せてきます。特筆すべきは味の余韻が長いこと。加工用のトマトではなく、生食用のトマトを1瓶に40個も使っていると聞き、そのぜいたくさにも驚きました。

 これはさぞやおいしいトマトを作っている農家さんに違いない!と確信を持ち、次に入手できたのが、こちらのカラフルトマトの詰め合わせです。

カラフルな彩りのミニトマト

カラフルな彩りのミニトマト

 ツヤツヤとした実がたくさん入った箱は、まるで宝石箱。口に入れると、プチっと口の中で弾けて、うま味たっぷりのジュースがこぼれます。なぜかうま味や甘味だけではない、複雑で「独特な味」がするんです。

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