Wednesday, September 1, 2021

【大橋秀行】井岡らしからぬ序盤 ジャッジのポイント差よりも接戦に見えた - ニッカンスポーツ

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1回、ロドリゲス(左)にパンチを放つ井岡(撮影・江口和貴)
1回、ロドリゲス(左)にパンチを放つ井岡(撮影・江口和貴)
  • 12回終了後、ロドリゲス(右)と言葉を交わす井岡(撮影・江口和貴)

<ボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・大田区総合体育館◇無観客

WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が、鬱憤(うっぷん)爆発のV3を飾った。15連勝中の同級2位フランシスコ・ロドリゲス(28=メキシコ)との指名試合。日本人唯一の4階級制覇王者として、2階級制覇を狙った相手に3-0の判定勝ちを収めた。ドーピング騒動後では初の試合で、国内の世界戦では初の無観客開催も、苦悩の日々を送った憂さを晴らす白星となった。

   ◇   ◇   ◇

大橋秀行評論

井岡らしからぬ序盤だった。通常ならもらわないようなパンチを受け、ペースを崩された形だった。特に挑戦者の左フック。鋭い角度から届いた左アッパーに戸惑ったように見えた。6回から左ジャブでペースを握ったように見えたが、また9回に被弾し、再び「井岡らしさ」が失われたような印象だった。スピードがなく、パンチ力、特にボディーブローの威力がないように見えた。

挑戦者だけでなく、他ボクサーも同じ条件なのだが、このコロナ禍という環境での調整で苦労したのではないだろうか。正直、3人のジャッジのポイント差よりも接戦に見えた印象だった。しかし最終回、井岡自らもパンチをもらってしまうような距離で、危険を顧みずに打ち合っていたのはさすがだった。有観客なら最終回は盛り上がっていただろう。無観客だったのは残念でならない。プロの世界戦として12ラウンドで良い展開を演出していたと感じた。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)

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