60歳から元気に過ごすにはどうすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「すき焼きを食べたほうがいい。肉料理には“幸せ物質”とも呼ばれるセロトニンを脳に運ぶコレステロールが含まれている」という――。
※本稿は、和田秀樹『60歳から脳を整える』(リベラル文庫)の一部を再編集したものです。
肉料理や脂っこいものを食べたくなるのは身体のサイン
交際費って、結局は飲み食いのおカネです。
評判の店で飲み食いする、旅先で飲み食いする、繁華街の焼き肉屋で飲み食いする、どれも値段はまちまちですが、美味しい店で親しい人と愉快に過ごせば朗らかな感情に包まれるのは当然のことです。
それだけではありません。
美味しいものというのは、身体が求めているものです。
「脂の乗った魚料理が食べたいなあ」
「すき焼きを腹いっぱい食べたいなあ」
「上等な焼肉なんてずいぶん食べてないなあ」
60代ともなればかつてほどの大食いでもないし、肉料理や脂っこいものは何となく控えめにしています。
でも、その反動なのかどうか、たまに猛烈に食べたくなるときがありますね。
ああいうのは身体が求めているんだと考えましょう。肉でも甘いものでも、それを美味しいと感じるのは脳が満足しているからで、ふだんの食事が質素になりがちな60代にとっては、前頭葉が刺激される心地よい体験になってきます。
こういった快体験はすべて、身体の免疫機能を高めて、がんの予防にもなります。
みなさんもたぶん、笑顔や幸福感が脳はもちろん、身体も元気にしてくれるということは実感できると思います。それが免疫機能を高めてがんの予防にもなるというのは、NK細胞の活性化で説明することができます。
NK細胞というのは、たとえばがん細胞の素になるような出来損ないの細胞を異物として排除してくれる免疫細胞のことですが、その活性は20歳がピークでそれ以降はしだいに低下してきます。
つまり、免疫低下という視点でみれば、がんも老化現象の1つといえるのですが、快体験はこのNK細胞の活性を高めることがわかっています。実験してみると笑っているときはNK細胞が活性化しているのです。
うつ病も同じで、夫と死別した女性で、うつ病になった人とならなかった人のNK細胞の活性を比較してみると、ならなかった人のほうが明らかに活性が高いという研究結果も出ています。
でも快体験にもいろいろありますね。ギャンブルや恋愛も、前頭葉を刺激して脳の機能を高めてくれるという話をしましたが、どちらも裏目に出る可能性があります。大損したり、失恋すればやっぱり落ち込む可能性もあるのです。
その点で、美味しいものは裏切りません。どんな人でも、100パーセント満足して笑顔を浮かべるはずです。
からの記事と詳細 ( なぜ「すき焼き」を食べると幸せな気分になるのか…精神科医・和田秀樹が解説する科学的な理由 コレステロールがセロトニンを脳に運ぶ - PRESIDENT Online )
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