久保田一道
気候変動による不漁リスクを見据え、茨城県が始めたサバの養殖の様子が15日に初めて公開された。えさやりや水質のデータ管理にデジタル技術を活用し、コストを抑えながら市場での流通の可能性を探る。
ひたちなか市の那珂湊漁港に5メートル四方のいけすを4面設け、11月上旬に約1万匹のマサバの稚魚を入れた。スマートフォンで操作できる給餌(きゅうじ)機を備え付けており、普段は1日に5回、自動でえさをやっている。この日は、県の担当者がスマホで操作。機械からえさが出ると、体長十数センチほどの稚魚が群がった。
いけすには、水中カメラや水質管理のためのセンサーもつけ、リアルタイムで魚の様子や水温、酸素濃度などの数値が遠隔で確認できる。体調を確かめるため、えさを食べる画像を人工知能で分析する。数値に異常があった場合、スマホに警報が届く機能もある。デジタル化によって、人件費などのコストを抑えることができるという。
県は来年度にかけて、いけすごとに魚の密度を変えながら生存率や成長具合の違いを調べる。水産加工を手がける横浜冷凍(横浜市)と連携し、市場での流通・販売のルートも模索する。
同社茨城営業所の松井美枝子所長は「脂がのってくれば、開きにしても良いのではないか。1匹でも多く健康に育ってほしい」と期待を込める。(久保田一道)
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