
Jonathan StoreyGetty Images
日常生活において大切である目。生きていくうえでケアしていくことが大事であるがゆえに、世の中には目に関するさまざまな誤った情報がある。
そこで、事実と嘘を区別するために、目の健康に関する誤った神話をアメリカの専門家に解説してもらった。
神話1:スマホやパソコンの画面を1日中見ていると視力が低下する
長時間の労働やオンラインミーティングは、目に永久的なダメージを与えていない。だが、パソコンやスマホ、タブレットなど電子機器から発せされるブルーライトは短期的に眼精疲労とドライアイを引き起こすことがある。
このことについて、ジョージア州アルファレッタにあるミラン・アイ・センターで働くクリス・イーズリーはどちらも治療が可能だと言う。
「画面を見た後、ドライアイになるのは近くの物を長時間じっと見つめていると、瞬きの回数が減るからです」
また、目の筋肉も疲労させるという。ある大学の研究で、学生の90%がスクリーンを2時間見た後に眼精疲労やドライアイ、頭痛といったコンピュータービジョン症候群(CVS)を経験したことがわかった。
CVSに対処するには、瞬きの回数を増やし、常にその時の視力に合うメガネやコンタクトをつけることを心掛けて。それから定期的に休憩をとって目を休めよう。
神話2:視力が変わっていないから、すぐに検眼に行かなくていい
シカゴのイリノイ・カレッジ・オブ・オプトメトリーの准教授レイマン・バクリは「緑内障や黄斑変性症、糖尿病性網膜症は無症状で、知らず知らずのうちに進行しています」と言う。
これらの症状は永久的なダメージを与え、失明につながる可能がある。だが、早期に発見すれば、ダメージを喰い止めたり遅らせたりすることができるという。
目の検査では、脳腫瘍や糖尿病、高血圧などのサインになる血管や神経、結合組織などの健康状態がわかる。40歳から64歳の人は最低2年に1度、65歳以上、あるいは糖尿病や高血圧のリスク要因や家族に目の病歴がある人は毎年1度は目の総合検査を受けること。
神話3:サングラスをかけるのは目を細めて見ないようにするため
サングラスは目を細めて見るのが原因で起こる目尻のシワを防ぐことができる。だが、ダメージの一つであるUV波は年々蓄積され、最終的にはUV波を浴びることが白内障や黄斑変性症、目の周囲やまぶたの皮膚がんのリスクを高めるという。
皮膚がん財団によると、白内障の20%はUV波が原因で、全皮膚がんの5〜10%はまぶたにできる。だから、UVAとUVB両方に対処したサングラスを通年かけることを意識しよう。
また、雲はUV波を20%程度しかブロックしないため、曇りの日でもサングラスを忘れないこと。
神話4:目に異物が入った時の対処法は「泣く」こと
泣くのは、まつ毛や埃など小さなものを取る役にしか立たないとバクリ准教授は言う。目に異物が入って、ひどく涙が出たり赤くなった場合は、すぐに消毒済の医療用レベルの生理食塩水、もしくは水道水で目を洗い流すこと。
洗い方は、まずシャワーか蛇口の下に顔を置く、あるいは清潔なカップを使って水を目に注ぐ。それから20分経って、痛みや赤みがおさまり、涙が出なくなったら大丈夫。
もし、赤みや痛みをぶり返した場合は、必ず医師の診察を受けよう。目に何かが入り込んだり化学薬品が入った時は直ちに治療を受けるよう、イーズリーはアドバイスする。
神話5:ニンジンを食べると視力が改善する
どんなにたくさんのニンジンを食べても、暗闇の中でも見えるようにはならない。研究からカロテノイド(ニンジンに含まれる健康にいい微量栄養素)が白内障や黄斑変性症のリスクを低減することはわかっているが、実際に視力を改善する食品ではないとイーズリーは言う。
目にいい野菜はニンジンだけではない。ブロッコリーや緑の葉物野菜、ほうれん草、サマースカッシュ、エンドウ豆にはビタミンC&Eなどの抗酸化物質や、ルテインやゼアキサンチンなど植物色素が豊富に含まれており、それらすべてが目を健康に保つ。
アテネのジョージア大学の研究者では、カロテノイドはギラギラした光や明るい照明による目のストレスを緩和することを発見している。
また、オメガ3脂肪酸(サーモンやタラ、マグロ、オヒョウなどに含まれる)も目の健康には不可欠だとイーズリーは述べている。
神話6:視力がぼんやりしてきたら、老眼鏡やルーペが必要
必須というわけではない。40歳以上のほとんどの人は老眼になって近くのものが見にくくなる。そんな時に活躍するのが老眼鏡やルーペだ。
しかし、その2つを使っても視界がぼやけてしまう場合は、高血圧(浮腫みの原因になり、目の形が変わる)か、糖尿病(目の裏側の血管にダメージを起こし、失明の原因になる)、白内障(アメリカ人の約半数は75歳までに経験)、あるいは感染症が原因かもしれない。
視力が変化した場合は目の検査を受けて、深刻な病気の可能性がないかどうかチェックしよう。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Mitsuko Kanno From Prevention
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