ねとらぼ読者の皆さんは、「納豆」と聞いて最初にどんなイメージを思い浮かべますか?
多くの人は、真っ先に「ねばねば」「独特なにおい」といったことを想像するのではないでしょうか。好みが分かれやすい食品の一つでもありますが、納豆が好きな人も嫌いな人も「納豆といえば、ねばねばするもの」という点に異論はないでしょう。
ところが2021年5月、そんな私たちの常識を覆す新商品――「あのにおいも糸引きもない納豆」が発売されることが分かりました。
衝撃と困惑をもたらすその新商品とは、ミツカンが発売する「美納豆のデリ」。トマトソースとコーンソースの2種類のフレーバーがあり、5月25日よりナチュラルローソンで購入できます。
開発担当の人に聞いてみた 「それって納豆としてアリなの?」
あのにおいも糸引きもない納豆……そんな商品のコンセプトを聞いて、大半の人は真っ先に「それって納豆と言えるの?」という疑問を抱いたことでしょう。ミツカンの開発担当の方にお話を伺いました。
――「美納豆のデリ」は、あのにおいも糸引きもない「新しい納豆」だと聞いています。単刀直入にお尋ねしますが、それは「納豆」と言えるのでしょうか?
ミツカン: 「美納豆のデリ」が、あのにおいも糸引きもないというのは事実です。ただ「納豆菌で大豆を発酵させた」食品なので、当社としては自信を持って「納豆」の新商品だと考えております。
――「納豆菌で大豆を発酵させる=必ずねばねばする」ということではないんですね。
ミツカン: 最近新たに発見された納豆菌と、ミツカン独自の発酵技術を掛け合わせて開発した、新しい発酵食品です。ねばりや糸引きこそありませんが、深みのある味わいはしっかり感じられますし、発酵食品ならではの栄養素も摂ることができる商品ですよ。
――なるほど……。ですが、納豆好き派の人間としてはやはり「納豆は、ねばねばするからおいしいのに」とも思ってしまいます。どのような経緯で、あのにおいも糸引きもない納豆を開発することになったのでしょうか?
ミツカン: おっしゃる通り、納豆好きの方からは「納豆のにおいや、パンチのある味が好き」「たくさん混ぜて、ねばねばにさせてこそおいしい」という意見を頂きます。社内の納豆開発チームでも、そんな「納豆らしさ」をこれまで大切にしてきました。
ミツカン: ただ一方で、納豆に馴染みがない人や、納豆を食べるのがふさわしくないと思われるシーンでも、もっと気軽に納豆を食べてもらうにはどうしたらいいのか、という課題もずっと抱えていました。納豆を敬遠している人の意見としては「においが気になるから、人前では食べない」「ねばりがちょっと……」という声のほか、「白いご飯と一緒に食べるのはちょうどいいけど、和食以外の食事とは合わせづらい」という話も聞かれます。
――どれもだいたい、納豆好きの人が考える“納豆の魅力”と真っ向から対立するものですよね。
ミツカン: はい。ですから、これまでは正直どうしようもないと思っていた部分が大きかったんです。しかし今回は「納豆をもっと気軽に食べてほしい」「日常の中で、納豆が食べられるシーンを増やしたい」という熱意から、思い切って「におわない、ねばらない」「オシャレで食べやすい」という方向に舵を切ってみました。
――思い切りましたね……!
ミツカン: 納豆好きな人でも、これまで納豆を食べなかったシーンでぜひ「美納豆のデリ」を食べてみていただきたいです。出先のランチタイムや仕事中のおやつに納豆を食べるという人は、これまであまりいなかったのではないでしょうか?
――納豆は好きですが、もし職場のデスクで隣に座っている人がいきなり納豆のパックを取り出したら、驚きはあります。(笑)
ミツカン: 「美納豆のデリ」なら、仕事中やランチタイムでも違和感なくスマートに、おいしく納豆を食べることができますよ。新しい納豆のカタチ、ぜひ一度体験してみてください!
編集部で食べてみた 「新しいサラダ」「納豆を洋風にしたらコレかも」
コンセプトは理解できても、やはり「味は本当に納豆なのか?」というナゾに包まれたままの「美納豆のデリ」。トマトソースとコーンソースの2種類のフレーバーを、編集部で実際に食べてみました。
ふたを外してみると、ソースとトッピングが入っています。パックの納豆であればたれと納豆の間にはシートが入っていて、シートを外すと早速ねばりがびよ〜ん……というのが常(つね)ですが、これは糸引きが一切ない! 納豆特有のあのにおいも、ふたを外しただけではほとんど感じられません。
鼻をここまで近づけてみて、よくよく嗅いでみると「あ……納豆?」「納豆が、ものすごい遠くにいるような気がしなくもない」程度のにおいが感じられました。ほんのりと納豆を感じる香りではありますが、食べる本人が意識しようとしなければ分からないほどかすかな程度です。たしかにこれなら自宅以外、近くが人にいる状況で食べても問題はなさそうです。
トッピングとソースを盛ってみると、なんだかステキなビジュアルに! やはり納豆らしからぬオシャレな見た目です。
食べる際にはスプーンで、トッピングとソースをあえながら食べるのが良いようです。というのも“あの”ねばり気がないので、豆の一粒一粒がぽろぽろしていて、お箸だと少々食べにくさを感じます。納豆といえば、お箸でねばねばさせるイメージがどうしても強いので、ねばらない豆にスプーンで触れると「ねばりがないと、豆ってこんなにぽろぽろなんだ」という驚きがあります。
食べてみた人からは「おいしい」「意外とイケる」という声が! そう、商品のコンセプトを耳にした時点で、編集部内でも半信半疑の雰囲気が漂っていたのですが……いざ口にしてみると、素直に「おいしい」という感想がぱっと口をついて出てきました。
食べるまではまったく味を想像できませんでしたが、一口食べてみると「なるほど、こういう引き算になるのか」と納得してしまう、不思議なおいしさです。
編集部員の感想
- 大豆そのもののやさしい味わいがする。でもただの大豆ではなくて、発酵食品特有のうま味もある。まさに「新しい納豆」だ……
- 納豆といえば、白いご飯と食べるもの! というイメージだったので、このさっぱり感は衝撃。でも食べやすくてヘルシーで、ちょっとした間食なんかにはすごく良さそう
あのにおいやねばりがないぶん、通常の納豆ほどガッツリしておらず、素朴でやさしい大豆そのものの味が感じられます。後味が口に残らないというのも新鮮な感覚で、どんな食事にも合う「お豆のサラダ」とも言えそうな、さっぱりした風味に仕上がっていました。
一方で、際立っているのがソースとトッピングのうまみです。コーンソースは子どもも喜びそうな少し甘い風味で、トマトソースはすっきりとしたトマトの酸味がイタリアンを思わせます。
さらに、オーツ麦・キヌアパフなどをブレンドしたトッピングがザクザクした食感を生み出していて、食べ応えも十分。一パック食べるとしっかり満足感があって、スナック菓子は我慢したい……という人のヘルシーな間食としてもぴったりです。
編集部員の感想
- 「洋風納豆」というジャンルがもしあったら、こういう感じなのかも
- ソースの味にパンチがあって、それをホクホクの納豆とザクザクのトッピングで食べ進めるのがおいしい。他のフレーバーも登場したら食べてみたい!
納豆からあのにおいと糸引きをなくしても、こんなにおいしい食べ方があったのか……。パック納豆のねばねばが好きな人にとっては少し複雑かもしれませんが、「シーンを選ばず色々な場所で食べられる」新しい納豆の登場によって、もっと気軽に納豆を食べられる時代がやってくるかもしれません。
「美納豆のデリ」は5月25日よりナチュラルローソンで販売、サラダコーナー辺りに陳列される予定とのことです。ヘルシーでオシャレな“納豆のデリ”、ぜひ一度ご賞味あれ!
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