ソフトバンクが再契約を目指していたマット・ムーア投手(31)との交渉が決裂し、退団が決まったことが26日、分かった。代理人を通じて、2021年シーズンはメジャーでプレーする意思を固めたことを通達。ホークスのリーグV奪回、日本一4連覇に大きく貢献した助っ人左腕の流出が決定したことで、チームは編成面の見直しを迫られることになった。
ムーアは昨年12月に第2子が誕生。コロナ禍もあり、夫人の異国での育児負担などを考慮した結果、退団に至ったと見られる。メジャー通算54勝の実績を引っ提げて加入した昨季は13試合に登板して6勝3敗、防御率2・65の成績をマーク。巨人との日本シリーズ第3戦では7回を無安打に抑える圧巻の投球を披露した。実力を高く評価する球団は本人の将来的なメジャー復帰希望を把握した上で、単年での再契約を打診して交渉。根気強く回答を待ったが、思いは届かなかった。ムーアにはかねて熱視線を送るレッドソックスなどが本格的に獲得調査を行っている。
ムーア流出が現場に与えるダメージは大きい。すでにコリン・レイ投手(30=前カブス)を獲得しているが、これは自由契約となったリック・バンデンハーク投手(35)の代役として。球団内にはかねて「ムーア以上の代役獲得は至難」との認識があった。
26日、ペイペイドームで開かれたフロント、監督、コーチ陣による春季キャンプに向けたオンライン会議では、現有外国人選手の入国手続きの確認も行われ、チームの屋台骨を支えるモイネロらキューバ勢は順次2月中の来日が可能な見通しだ。28日にはキャンプメンバーの振り分けが発表されるが、故障を抱えリハビリスタートの主力もいると見られ、王者の船出は逆風にさらされる形となりそうだ。
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