医療法人養和会介護老人保健施設仁風荘(鳥取県米子市上後藤3丁目)の言語聴覚士や管理栄養士らのグループが、誤嚥(ごえん)性肺炎を予防しながら終末期の入所者に食べる楽しさを伝えている。それぞれ資格を持ったメンバーがコミュニケーションやメニューづくりといった専門分野で連携し、好きなメニューを食べやすく提供する。取り組みは全国老人保健施設協会(東京都)の発表会で優秀奨励賞を受賞し、メンバーは、高齢者に寄り添ったサービスの充実に意欲を見せた。
誤嚥は、飲み物や食べ物がうまくのみ込めずに、気管に入ってしまうこと。のみ込む筋肉が低下する高齢者は、肺炎を引き起こし重篤化するケースもある。
活動しているグループは、言語聴覚士2人と管理栄養士、看護師それぞれ1人ずつの計4人。同施設では高齢化やさまざまな疾患で終末期を迎え、食べることが困難になる事例が増えており、「食べる楽しみを持ってもらいたい」という目的で始まった。
2017年12月、言語聴覚士が入所していた当時96歳の女性とその家族とやりとりし、好きな食べ物を聞き取り、「刺身とトンカツが食べたい」というリクエストを受けた。そこで、管理栄養士が食べやすいように軟らかくし、栄養バランスや見た目にも配慮したメニューを考案した。
18年2~3月、看護師が日々の体調を確認した上で、実際に食べた女性は笑顔を見せて喜んだという。
取り組みは19年11月、同協会が主催した介護施設の活動を紹介する発表会で、全国1186の演題のうち23演題の優秀奨励賞を受賞。メンバーの1人で言語聴覚士の平野祐紀さん(40)は「入所者一人一人の気持ちに寄り添い、楽しいひとときを提供したい」と誓った。
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