Thursday, January 21, 2021

リバプールが狂った…今何が起きているのか? クロップ政権最低の前半戦、直面する最大の課題【分析コラム】 - フットボールチャンネル

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狂ったリバプールの歯車

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【写真:Getty Images】

 不敗神話は突如として終わりを告げた。本拠地アンフィールドでリーグ戦に敗れたのは、2017年4月のクリスタル・パレス戦以来、約4年ぶり。連続無敗記録は69試合でストップした。

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 記録はいつか途切れる。しかし、それにしてもタイミングがあまりにも悪すぎた。ウェストブロム戦からリバプールは5試合連続で勝利から見放されている。さらに連続無得点は4試合に延びた。リバプールのような大きな歯車は、一度狂ってしまうと戻すのが難しいのかもしれない。

 バーンリーは4-4-2の布陣で低い位置にブロックを敷いた。ボールを回収すれば、リスクを取らずに最前線のクリス・ウッドにボールを入れる。それをアシュリー・バーンズと両翼が拾ってカウンターに繋げた。

 リバプールは堅い守りを最後まで崩すことができなかった。バーンリーのDFはペナルティエリア内に並び、その5m前には4人のMFが行く手を塞ぐ。リバプールは27本のシュートを放ったが、そのうち10本はペナルティエリアの外から。そのうち4本は相手にブロックされ、枠内に飛んだ2本もGKニック・ポープの守備範囲だった。

 勝ち点1を分け合う姿が現実味を帯びてきた試合終盤、思わぬ落とし穴が待っていた。ファビーニョのクリアをマシュー・ロートンが頭で跳ね返す。すると、アシュリー・バーンズがファビーニョと入れ替わって抜け出し、GKと1対1に。アリソンが前に出て対応したが、一瞬先にボールに触れたバーンズの足がアリソンに引っかかり、バーンリーにPKが与えられた。

 バーンズはこれを成功させて、先制に成功。残り時間を耐え抜いたバーンリーは、3試合ぶりとなる勝利を収めている。

主力の離脱と低調なパフォーマンス

 前半戦を終えたリバプールの勝ち点は34ポイントに留まっている。ユルゲン・クロップが監督に就任した15/16シーズンから前半戦の勝ち点は30、43、35、51、52と推移。10月から指揮を執った初年度を除けば、今季の前半戦はクロップ就任後最低の成績となっている。

 原因は間違いなくある。ただ、2シーズン続けて100ポイント近くの勝ち点を獲得したリバプールがこれだけ勝てないのだから、それを1つや2つに絞ることなど到底できない。

 フィルジル・ファン・ダイクとジョー・ゴメスの不在はもちろん大きな原因の1つ。前者は前十字靭帯を損傷、後者は左膝の腱を痛め、どちらも今季中に復帰できるかどうかというところでリハビリを続けている。

 2人の代役としてジョーダン・ヘンダーソンとファビーニョがセンターバックで起用されている。特にファビーニョは出色の出来で最終ラインを支えているが、ファビーニョの抜けたアンカーのポジションをカバーするのにリバプールは苦心している。

 悪質なタックルで昨年10月に膝を負傷したチアゴ・アルカンタラは年末に復帰した。配球の面ではファビーニョに勝るとも劣らないプレーを見せているが、ハイボールの競り合いなどでは分が悪い。

 両サイドバックと3トップ、ファビーニョ、ジョルジニオ・ワイナルドゥムといった主力は休むことなくプレーしている。2シーズンで25アシストをマークしたトレント・アレクサンダー=アーノルドは、今季ここまで2アシストでキックの精度に陰りが見える。主力の疲労がパフォーマンスの低下につながっているとの見方もある。

クロップが考える不調の原因

 主力の不在と疲労に加えて、相手の対策が進んでいるという現状は、間違いなくリバプールを苦しめている。一方で、クロップ監督はチームの現状を次のように見ている。

「問題は瞬時の意思決定にあって、その決断は我々が与える情報と雰囲気に基づいている。とても狭いスペースでそれを行う自信があるか。それらが得点できなかった理由だ」

 バーンリー戦のボール保持率は72%、27本のシュートを放った。しかし、枠内シュートはわずか6本で、6本中4本を枠内に飛ばしたバーンリーとさほど変わらない。0-1で敗れたサウサンプトン戦でも、17本のシュートのうち枠内に飛んだのはわずか1本。「意思決定があまり良くなかった」と同じ敗因を挙げている。

 リバプールの最大の武器は「ゲーゲンプレッシング」に代表されるように、トランジションで優位性を作って攻め込むことにある。ポジショナルプレーの導入により、ボールの保持・日保持に関わらずその特徴を活かすことに成功したが、意思決定のスピードを可能な限り速めることが前提としてあることは変わらない。

 最後にゴールを決めたウェストブロム戦の12分から、実に87本のシュートを放っている。ファイナルサードでどのようなプレーを選択するか、そしてその速さをクロップは指摘している。

 バーンリー戦でも生命線である意思決定に迷いが見られ、澱みなく流れるようなダイレクトプレーはほとんどなかった。ロベルト・フィルミーノとモハメド・サラーが57分に投入されたことで改善の兆しを見せたが、ゴールネットを揺らすまでには至らなかった。

 クロップは「雰囲気」や「自信」という言葉を用いて精神面に言及している。チームがうまくいかないとき、戦術的な欠陥や選手個人のパフォーマンスに言及することが多い。しかし、実際はメンタル面の影響は決して小さくない。

 流れを変えるためには、新たな選手の台頭が必要になるだろう。しかし、前半戦に活躍したディオゴ・ジョッタはいない。バーンリー戦でチャンスが与えられたディボック・オリギやアレックス・オックスレイド=チェンバレンは、悪い流れを払しょくすることはできなかった。

 次は南野拓実だろうか、それともカーティス・ジョーンズのような若い選手だろうか。リバプールは今、クロップ就任以降最大の課題に直面している。

(文:加藤健一)

【了】

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