青々として独特の香りを持つニラ。クセがある野菜の一つですが、炒め物や味噌汁、ギョウザの具材や薬味にもと、応用範囲が広く多くの方に親しまれています。
ニラは、ハウス栽培と露地栽培で1年中食べることができますが、今の時季は“一番刈り”と呼ばれる特に美味しいものが出回っています。野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに詳しい話を伺いました。
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ニラには冬ニラ、夏ニラがある
ニラは高知県が全国の出荷量の1/4を占めています。関東では茨城や栃木などが主な産地です。
「ニラは『冬ニラ』『夏ニラ』として、栽培時期によって2つに分けられます。夏ニラは主に露地栽培で5月から9月ごろまで、冬ニラはハウス栽培で、主に秋から冬に出荷されます。夏ニラはシャキッとして少し辛みがあり、冬ニラは柔らかくて甘みが強いのが特徴です。
ニラというとスタミナ食材のイメージが定着していて、夏の野菜と思われがちですが、実はニラは冬が美味しいとされています」(吉田さん)
一番刈りは今の時季限定
冬ニラの中でも「一番刈り」と言われるニラは格別の美味しさがあります。
「ニラは通常、良い株を作るために半年から1年畑に植え付けておき、その後一度すべて刈り取ってから再生長させます。冬ニラは今頃から再生長させたものを刈り取って出荷しますが、再生長後、最初に刈り取ったものを『一番刈り』と言います。今の時季はちょうど一番刈りに当たるのです。
一番刈りは軸が太く、葉が肉厚で幅広、甘みが強く柔らかいので、通常のものより数段上の美味しさが味わえます。見た目でも軸の太さや葉の厚みもわかりますので、こうした特徴のあるニラを見つけたらぜひ購入してみてください。
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ニラは刈り取り回数が増えるとだんだん軸が細くなっていきます。ニラ特有のシャキシャキ感は軸の食感で、軸太の一番刈りは食感と甘さが際立ちます」(吉田さん)
ニラは繊細、葉が折れないように保存を
一番刈りのニラを買ってきたら、保存も上手にしたいものです。
「買ってきたらすぐ調理するのがベストですが、いったん冷蔵庫に保存する場合は注意が必要です。ニラは特に葉が柔らかく、折れたところがつぶれて匂いを発し、溶けたようになって傷み始めます。
また乾燥にも弱いので、濡らしたペーパータオルか新聞紙で包み、ポリ袋に入れて葉が折れないように立てて冷蔵庫の野菜室で保存してください。立てられないようなら野菜室の一番上にそっと置き、折れたりつぶれたりしないようにしましょう。
また、食べるまでに時間があるなら、使いやすい大きさに切ってから保存袋に入れて冷凍するのもおすすめです。炒め物や味噌汁などには解凍せずそのまま使うことができて便利です」(吉田さん)
ニラは疲労回復に効果があるビタミンB1、抗酸化作用のあるβ-カロテン、カリウム、ビタミンK、葉酸などを多く含んでいます。さらに、独特の香りの成分「硫化アリル」の一種「アリシン」には、ビタミンB1の吸収を高めて糖の代謝を促進する効果があるため、スタミナアップを図れる野菜と言われています。
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この時季ならではの一番刈りのニラを食べて疲労回復を図りましょう。
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