桃はジューシーで甘みがたっぷりの果物として、人気があります。品種も多くさまざまな種類を食べられますが、どのような栄養が含まれているのか知らずに食べている人も多いです。
おいしい反面、柔らかい品種の桃は皮をむきにくいなど、食べ方に困ってしまうこともよくあります。
この記事では、桃に含まれている栄養素や期待できる効果や効能などを紹介します。
食生活を見直したいと考えている人に役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。
桃とは
毎年6月頃に旬を迎える果物である桃は、バラ科の落葉小高木になります。弥生時代の遺跡からも核(種子を覆っている部分)が出土することがあるなど、古くから身近であったと言われている果物です。
古い時代には主に観賞用として栽培されていましたが、明治以降に食用としても普及しています。20世紀半ばまでの主要な産地は岡山県など西日本の暖かい地域でしたが、産地が広がって山梨県や福島県なども主要産地に加わりました。
桃には数えきれないほどの品種が! 代表的な品種を紹介
桃には日本だけでも実に多くの品種があり、全国で100以上の品種が栽培されています。中でも主要な品種は下記の通りです。
系統 | 名称 | 発祥 | 主要産地 | 特徴 |
白桃系 | 川中島白桃 | 長野県 | 福島県 長野県 山形県 山梨県 |
・大玉で果肉が柔らかい ・生食に適している ・甘くみずみずしい |
黄桃系 | 黄金桃 | 長野県 | 長野県 山形県 福島県 |
・白桃より果肉が堅め ・白桃に近い濃厚な味 |
ネクタリン | ネクタリン | 中央アジア | 長野県 | ・皮ごと食べられる 表面に毛がない ・甘酸っぱい |
他にも「白鳳」や「あかつき」、中国原産の晩稲など、さまざまな品種がつくられています。
おいしい桃の見分け方
桃はいい香りで、軽く触った時に表面が柔らかいと食べ頃です。
市販の桃は、堅めの状態で収穫されていますので、店頭に並ぶ時期には食べ頃になっています。ただし農家の直売所や産地直送ショップなどでは、収穫直後に販売されますのでまだ堅く、少し待った方がいい場合もあるので見極めてから食べましょう。
桃に含まれる栄養素は? 生と缶詰とを比較
桃には、下記のような栄養素が含まれています。
ビタミンC (mg) |
カリウム (mg) |
リン (mg) |
水溶性 食物繊維 (g) |
不溶性 食物繊維 (g) |
炭水化物 (g) |
エネルギー (kcal) |
|
白桃(生) | 8 | 180 | 18 | 0.6 | \0.7 | 10.2 | 38 |
白桃(缶詰) | 2 | 80 | 9 | 0.5 | 0.9 | 20.6 | 82 |
(可食部100gあたり)
缶詰にすると炭水化物が高くなる分、高カロリーになって栄養価が減少しますので、ダイエット中には不向きです。
甘みの元は「フルクトース」
桃の甘さの元となっているのが、単糖類のフルクトースです。砂糖の1.2〜1.5倍もの甘さがあります。ただし過剰に摂取してしまうと、中性脂肪の増大や肥満につながる恐れもありますので、食べ過ぎには注意しましょう。
桃の葉に含まれる栄養素と効能
桃の葉にも下記のような栄養がたっぷり含まれています。とくによく含まれているのがタンニンやマグネシウム、カリウムなどです。炎症の抑制や代謝・排出の補助、腸内環境を整える効果などが期待でき、入浴剤やお茶などに含まれていることがあります。
市販の製品に「桃の葉エキス配合」と表示されていたら、このような効果が期待できるということです。
桃1個あたりのカロリーと糖質
桃は1個あたり約200gですので、この程度のカロリーや糖質が含まれています。
カロリー | 76kcal | |
炭水化物 | 食物繊維 | 2.6g |
糖質 | 16.8g |
桃の大きさによって多少変わりますが、1個まるまる食べても100kcal未満。厚生労働省によると1日に200kcal程度の間食が適量ですので、桃はダイエット中の間食にもおすすめです。
桃は皮も食べられる
表面にうぶ毛がない桃であるネクタリンは、皮ごと食べられることで知られています。
しかしそれ以外の桃でも皮ごと食べることが可能です。桃の皮にはカテキンが含まれているので抗酸化作用や殺菌作用が期待できますし、皮と身の間が甘みが強いとも言われています。
洗う際にはふきんなど薄い布で表面をやさしくこすって、うぶ毛を落としてから食べましょう。
桃に期待できる効果効能
桃はたくさんの栄養素が含まれている果物ですので、このようにさまざまな効果や効能を期待できます。
- むくみ予防(カリウム)
- 代謝促進(ナイアシン、カリウム)
- 血糖値の急上昇予防(ペクチン)
- 腸の働きを活発にする(ペクチン)
- 美肌(ビタミンC、ビタミンE)
- 免疫力を高める(ビタミンC、ビタミンE)
このように栄養素が豊富に含まれていることで、桃に期待できる働きは多いです。
妊婦の栄養補給にもおすすめ
桃には食物繊維が含まれていて整腸作用が期待できることや、貧血対策などさまざまな効果が期待できます。甘みがあるのに低カロリーで栄養豊富ですので、妊娠中の栄養補給にもおすすめです。
桃の栄養を効率よく摂取するには
桃に含まれている栄養素を余すことなく吸収したければ、皮ごと食べるのがおすすめです。果肉には含まれない食物繊維やカテキンなどの栄養素も吸収できます。
また、油と一緒に摂取すると吸収率が上がりますので、調理でオリーブオイを加えるなど工夫してみてください。
桃をおいしく食べるコツ
桃をよりおいしく食べるために、工夫するといいポイントを見ていきましょう。
食べる前に冷やす
冷えた桃はおいしいですが、冷やしすぎると甘みが落ちてしまいます。冷たい桃を食べたければ、食べる2~3時間前から野菜室で冷やしましょう。
皮のむき方
近年の品種では皮を手でむけるものは少ないです。まるごと桃の皮をむきたければ、包丁を使ってむきましょう。包丁でうまく皮をむけない人は、湯むきをするのもおすすめです。
湯むきの手順は、沸騰しているお湯に桃を約5〜20秒程度入れて、取り出したら氷水に入れます。水気を取ったら皮がさっとむけますので、試してみてください。
切り方のコツ
失敗しにくい桃の切り方手順を紹介します。
- 桃の割れ目に包丁を入れて、1周切れ目を入れる
- 手で2つに割って種を取り除く
- くし形に着る
- 必要なら桃を寝かせて皮をむく
この手順でむくと桃を傷めにくく、上手に皮をむけます。
桃の保存方法
桃は購入した時には食べ頃である場合が多いですので、できるだけすぐに食べましょう。
まとめ買いなど、どうしても保存したい場合には、食品保存用の袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しててください。それでもあまり長持ちはしませんので、1週間以内に食べましょう。
栄養たっぷり!桃のおすすめレシピ
桃は生のままでもおいしく食べられますが、下記のようにアレンジして食べるのもおすすめです。
- サラダに混ぜる
- パスタに混ぜる
- チーズと組み合わせて食べる
- ヨーグルトと一緒に食べる
- ゼリーやケーキの材料にする
- スムージーにする
など
このようにさまざまなアレンジ方法がありますので、旬の時期には飽きずに食べられます。
桃はおいしいだけじゃない! 栄養たっぷりなのでデザートに取り入れましょう
桃はたっぷりの甘みがあり、デザートとしても人気がある果物のひとつです。実は栄養価が高い果物で、妊婦の栄養補給にも適しています。例えば食物繊維の一種であるペクチンや、血圧を下げる作用が期待できるカリウムなどが、桃に含まれている栄養素の代表例です。
おいしく食べるためには食べる前に冷やすことや、皮のむき方を工夫することなどが挙げられます。
桃はおいしいだけではなく、栄養素も豊富に含まれている果物です。適量を食事に取り入れて、食生活の見直しにぜひ役立ててください。
農林水産省「ももの歴史と主な品種」
農林水産省「食べ頃の見分け方」
文部科学省「食品成分データベース 果実類/(もも類)/もも/白肉種/生」
文部科学省「食品成分データベース 果実類/(もも類)/もも/缶詰/白肉種/果肉」
厚生労働省「e-ヘルスネット 炭水化物 / 糖質」
独立行政法人農畜産業振興機構「甘味料の「甘さ」について」
厚生労働省「e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)」
からの記事と詳細 ( 桃の栄養素とは? 期待できる効果やおいしく食べるコツも紹介 - マイナビニュース )
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