
日本で最もカレールウの購入金額と購入数量が多いのは鳥取市だ。なぜ鳥取ではカレーが人気なのか。カレー総合研究所の井上岳久所長は「米どころでラッキョウの生産量が日本一。それに加えて、女性の就業率が高いことが影響しているのではないか」という――。
【写真】新品種のコメ「プリンセスかおり」でカレーを食べる鳥取県の平井伸治知事
※本稿は、井上岳久『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)の一部を再編集したものです。
■ルウの購入金額・数量で全国トップ
日本で一番カレーを食べるのは、どの都市でしょうか?
普通に考えれば、人口が多く、さまざまなカレー店がひしめく東京や、同じく人口が多く庶民派カレーの王道を行く大阪、あるいはスープカレー誕生の地でもある札幌などをイメージされるでしょう。
しかし、残念ながら、どれも不正解。
日本で最もカレーの消費量が多いのは、鳥取市なのです。
総務省が毎年行っている家計支出調査(対象は県庁所在地と政令指定都市)では、2016~2018年におけるカレールウの購入金額と購入数量の平均で、鳥取市が1位となっています。
カレールウの購入金額を見ると、意外にも、大阪市は37位、東京都区部は47位となっています。
■実はラッキョウの生産量が日本一
しかも、鳥取市が首位になっているのは、上記の3年間だけではありません。過去に何度も1位を記録しているのです。
総務省の調査は、カレールウの購入金額・数量であり、外食で食べるカレーは含まれていません。そのあたりの数字を踏まえると結果は変わってくるのかもしれませんが、いずれにせよ、鳥取の人たちが特別カレー好きであることは間違いないでしょう。
ここで気になるのが、なぜ鳥取なのかということです。
鳥取で大量にカレーが消費されるのは、なぜでしょうか?
私もいろいろな角度から調べてみましたが、明確な理由は見つかりませんでした。ただし、いくつかの仮説があります。
1つ目は、米どころであること。
鳥取市は古くから米どころとして知られています。前述の総務省のランキングを見ると、カレールウの支出金額・購入数量で2位にランクインしているのは、やはり米どころの新潟市。カレーライスを食べるなら、おいしいお米は不可欠ですが、鳥取市はその条件を備えているのです。
2つ目はラッキョウの生産量。
ラッキョウは、カレーのつけ合わせとしておなじみですが、鳥取県はこのラッキョウの生産量が日本一なのです。鳥取県では、酢漬けのラッキョウを各家庭で保存しているほどですが、ラッキョウを食べるためにカレーを食べているという考え方もできます。
■「女性の就業率の高さ」も関係あるのではないか
3つ目は、女性の就業率の高さ。
「都道府県別 女性の就業率の推移」(総務省「国勢調査」)を見ると、鳥取県は福井県や島根県と並んで、毎回上位5位に入る常連です。女性の就業率が高ければ、共働きの夫婦が多くなります。しかし、共働きの家庭では、食事の準備に長い時間を割くことはできません。そこで登場したのが、早くて手軽につくれるカレーだったというわけです。
他にも、鳥取の保守的な土地柄がカレー普及に関係したのではないか、という説もあります。
カレーが日本に一気に広まったのは、軍隊や学校給食で採用されたことが関係していると述べましたが、保守的な地域は、このように時間をかけて形成された文化が残りやすいといわれています。
以上。3つの説を紹介しました。
おそらく1つの理由だけではなく、それぞれが複合的に影響しているのでしょうが、いずれにせよ、今後も鳥取がトップを走り続けるのかどうか、注目したいところです。
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