健康に良い機能性成分を含んだ野菜の味わい方を知ってもらおうと、青森県五所川原市の農業法人「みよし野」は29日、キクイモと京ニンジンを使った料理の試食会を市内の飲食店で開いた。同法人は昨年12月に市内外の農家らと共に「機能性作物研究会」を設立、キクイモとニンジンの生産、販売に本腰を入れており、試食会などを通じて新たな販路を探していく考えだ。
キクイモは血糖値の上昇を抑える効果があるとされる食物繊維「イヌリン」の含有量が多く、京人参「京くれない」も美容に効果があるといわれるリコピンを含む。同法人は市内の飲食店「kakurega 文平屋」と共にメニューを考案し、キクイモとニンジンを使った豚汁、アヒージョ、かき揚げなどのほか、キクイモを2週間ほど熟成させた「黒菊芋」を紹介した。
「kakurega 文平屋」によると、キクイモは「くせがない野菜」で生で食べてもおいしいが、漬物以外の食べ方はあまり知られていない。試食会にはキクイモの生産に取り組む「Willow’S（ウィローズ）ファーム」（青森市）の関係者ら約40人が参加し、キクイモやニンジンの食感を確認しながら調理方法や成分の含有量などについて質問していた。
「みよし野」はコメを主力商品としつつ数年前から収益性の高い野菜との複合経営に取り組んでいる。コメの単作では冬場に仕事がなく、必要な人員を集められないケースがあるため、野菜の収穫などを冬場の作業としている。人口減少や食の多様化を背景にコメの需要が全国的に減る中、野菜の生産は農業収入の安定にもつながるという。
渡邊洋一代表(56)は「健康的な機能性野菜はこれから需要が伸びていくはず。他の団体とも連携して野菜の販売を広めていきたい」と語った。
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