神経というよりも血流の反応
カフェのテラス席に座って氷がたっぷり入ったソーダをごくごく飲むと……アイタタタ。「まるで真冬に冷水に手を突っ込んだような感覚ですよね」とアン・デュクロさんは言う。そして多くの人は脳に痛みを感じているかのように額に手を当てる。 しかし、実際には脳が痛みを感じているわけではないそうだ。痛みは口蓋の血管が冷たいものと触れた時に起きる。「血管が一度収縮し、次に膨張します。この結果、三叉(さんさ)神経(顎周辺に末端がある神経)が刺激され、痛みという情報を脳に伝達し、頭痛が起きるのです」と神経科医は説明する。 ドミニク・ヴァラド先生によると、この不快な感覚は喉から始まることもある。「アイスクリームを食べると頸(けい)動脈(首の動脈)が急激に冷やされ、脳動脈を刺激し、それが頭痛を起こすこともあります」
頭痛持ちが最もなりやすい
表情一つ変えずに何リットルものアイスを一気に食べられる人もいれば、棒付きアイス一口で痛みを覚える人がいるのはなぜだろう? 「その理由はまだ完全に解明されていません」とアン・デュクロ先生は残念そうに言う。 しかし、普段から頭痛が起きやすい人はこの急激な温度差に悩まされる可能性が高いと2人の神経科医の意見は一致する。フランス頭痛学会によると、人類の10~20%が頭痛に悩まされているそうだ。理由は様々で、体内で起きる変化(生理、感情、睡眠不足あるいは過多、胃にもたれる食事、アルコールの摂取)が原因であることもあれば、外的な要因(風、暑さ、嵐や台風)の場合もある。「頭痛持ちは全てにおいて敏感なので、他の人よりもあらゆる種類の頭痛に陥りやすいのです」
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