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さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。1月11日(土)放送のテーマは「塩」。「分とく山」総料理長の野崎洋光さんに「美味しく食べるための上手な塩の使い方」について伺いました。
── 和食に塩って大事ですよね
塩と白いご飯は切り離せないものです。私たちの食文化は全部、塩に基づいています。太古の昔、冷蔵庫がなかった時代は、塩漬けにする「塩蔵」で食材を保存していました。そもそも塩分がないと生きていけませんし、日本に限らず、世界中で塩は大事なものだったんです。
塩をまったく使わない料理もあまりありません。塩味を感じないとうま味を感じませんから。私たちの体は大体0.3%くらいの塩を持っています。生理食塩水が0.8%前後ですね。その間くらいの塩味を感じないと美味しさを感じないんです。
── 具体的にはどんな風に塩を使えば良いのでしょう?
魚の塩焼きは細かい塩でやると美しく仕上がりません。そこで粗塩を使います。鮎を焼くときも、同じ5gの塩を振るとして、細かい塩だと全体的に平均して塩がかかりますが、粗塩だと粒がポツンポツンとかかります。この粒の塩が焦げて香ばしくなると、しょっぱさをあまり感じなくなるんです。これはイタリア料理で肉を焼くときも同じですね。
僕はしめ鯖を作るときも、一旦砂糖でしめた後に改めて塩でしめます。最初から塩でしめると分子が小さいので中まで入ってしまい、しょっぱくなってしまうんです。砂糖なら分子が大きいので中まで入り込まず、鯖の水分だけが抜けます。そうすれば塩があまり浸透しすぎず、しょっぱすぎないしめ鯖になります。
── 塩加減はどれくらいが目安ですか?
塩分が1%を超えると塩辛く感じてしまうので、1%以内で抑えるようにしましょう。魚の塩焼きなら、切り身に塩を振って30分くらい置いてから水で洗ってみてください。表面の塩が洗い流されて塩分は半分になっても、うま味が濃くなって美味しくなります。魚のアラで出汁を取るときも、塩をして30分~1時間くらい置いて、水から沸騰させます。鯖の船場汁はそうやって作ります。
照り焼きもちょっとだけ中に塩が入っていると美味しい。これを僕は「味の道がつながる」と言っています。現代は物流が良くなって、スーパーのイワシや鯖に臭みなんてありません。だからちょっと魚に塩を振って、ぬめりを取って湯通しすれば鍋にはピッタリです。ネギや生姜で臭みを消す必要があったのは50年前の話。煮魚も同じで、塩だけで十分です。
塩は粗塩と精製塩を使い分けて、たまに好みで藻塩を使って気分を変えても良いと思います。そういえば昔は自分たちで塩を作ったりもしました。生ワカメを買ってきて細かい塩をまぶすと水分が出てくるので、それを煮詰めるんです。そうやって自分ならではの塩を作る楽しみ方もあります。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2020年1月11日(土)放送より)
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