ハウス食品のカップ入りレトルトカレー「やさしく夜遅(よるおそ)カレー」。開発に約3年かかったというが、2021年2月8日に発売すると、その一風変わったネーミングと製品特性で注目を集めた。「夜遅くに食べるカレー」と、あえてシーンを限定させた理由とは?
商品名に時間帯を入れたネーミングは、同社の製品としては珍しい。食品事業第二部チームマネージャーの長瀬仁美氏は、「夜遅とは午後10時ごろを念頭に置いた言葉。時間帯を限定すると購入していただく人の間口は狭くなるが、私たちがターゲットと考える方々にキャッチーなワードとして響けば、ズバリはまっていただけるのではないかと思ってネーミングした」と語る。
やさしく夜遅カレーには、さまざまな機能や特長が盛り込まれている。成人1日当たりの野菜摂取目標の約3分の1が取れること。一般的なレトルトカレーが1食180~250キロカロリーなのに対して、約90キロカロリーに抑えていること。具だくさんで、ご飯にかけずに単体で食べても食べ応えがあること。レンジで温めるだけで食べられることなどだ。
【特集】ヒットするネーミング
ネーミングについては、カレーの試作を繰り返していた当初から、同時並行でアイデア出しをしていった。当初は、たっぷりの野菜が取れることや、満足感のある食べ応え、低カロリーであるといった機能面を訴求した商品名を考えたこともあった。
「しかし、それでは製品の性格がぼやけてしまう。このカレーは、夜遅く仕事から帰ってきた20~30代の単身女性が、罪悪感を持たずに食べられるレトルトカレーをと考えて開発したもの。商品名としては食事のシーンを明確にするワードでいく以外、考えられなかった」(長瀬氏)
「食器洗いが面倒」の声に応えたカップ容器だったが
市販のカレーには大きく分けてレトルトタイプとルータイプがある。近年、家庭のカレー購入額は、レトルトカレーがルーカレーを上回っている。しかし、購買層を調べると、主な購買層は50~60代の男性で、20~30代の単身女性はあまりレトルトカレーを食べていないことが分かった。そうした“カレー空白地帯”の女性たちに食べてもらえれば、レトルトカレーの市場はさらに拡大すると考え、18年春に新製品の開発をスタートした。
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