Tuesday, November 24, 2020

バルセロナ、メッシ抜きでつかんだ自信。ミンゲサ、アレニャー、リキ・プッチ…若者たちが猛アピール【CL分析コラム】 - フットボールチャンネル

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メッシ抜きでウクライナへ

バルセロナ
【写真:Getty Images】

 早くも総力戦の様相を呈してきている。

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 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第4節が現地24日に行われ、バルセロナはディナモ・キエフに4-0で快勝を収めた。同時に決勝トーナメント進出も決めている。

 直近の国内リーグ戦でジェラール・ピケとセルジ・ロベルトが負傷。他にも離脱者が相次いでいるバルサにとって、今後につながる要素を探すための一戦だったのだろう。

 すでに3連勝していて、あと1試合でも勝利すればグループステージ突破が決まる状況。格下のディナモ・キエフ相手であれば様々なことを“試す”余裕もあった。苦しい戦いが続くラ・リーガから一転、CLは順調に進んでいる。

 ロナルド・クーマン監督はリオネル・メッシやフレンキー・デ・ヨングをウクライナ遠征のメンバーには含めず、普段出場機会の少ない選手たちを中心に先発メンバーを組んだ。

 完全な主力と言えるのはGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンと左センターバックのクレマン・ラングレくらい。左サイドバックに入ったジュニオル・フィルポや、右ウィングのフランシスコ・トリンコン、1トップのマルティン・ブライトバイテにとっては重要なアピールチャンスだったはずだ。

 右センターバックではオスカル・ミンゲサがトップチームデビューを飾り、ベティスへのレンタルから戻ったカルレス・アレニャーも今季公式戦初先発。いまいち信頼されていないミラレム・ピャニッチにも自らの存在価値を主張する機会が与えられた。

 負傷者続出と主力の温存によってベンチ入りの枠を余らせるほどの状況だが、出番を得た“サブ組”の面々は、しっかりと期待に応えて見せた。

 0-0のまま折り返して迎えた後半の52分、ミンゲサの鋭い縦パスが起点となってバルサに先制点が生まれる。セルジーニョ・デスト、ペドリ、ブライトバイテと細かくパスをつないで中央を破ると、最後はするすると抜け出したセルジーニョ・デストがペナルティエリア内で右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。

 今夏加入のアメリカ代表DFにとってバルサ移籍後初ゴールは、うれしいCLでの自身初めてのゴールにもなった。セルジ・ロベルト不在の間も十分に代役を務めてくれそうな予感のするパフォーマンスだった。

 先制直後の57分には、アレニャーが左足で蹴った右コーナーキックを、ニアサイドに飛び込んだミンゲサが頭で逸らし、ブライトバイテが逆サイドから詰める。今季から9番を背負うデンマーク代表FWにとってもこれがCLでの初ゴール、そして今季初得点となった。また、トップチームデビューのミンゲサにもアシストがついた。

構想外にもめげず…気を吐いた若者たち

 ブライトバイテは70分にも自ら獲得したPKを沈め、2得点目も挙げている。ベンチから今季2試合目の公式戦出場となったリキ・プッチの落としをアレニャーがワンタッチで左サイドに展開し、攻め上がってきた途中出場のジョルディ・アルバもワンタッチでクロスを上げる、PK獲得までの一連の流れも非常に美しかった。

 勢いに乗るバルサは後半アディショナルタイムに、途中出場のアントワーヌ・グリーズマンもゴールを奪って試合を締めた。

 リキ・プッチが巧みなボールキープから右足のアウトサイドキックで左サイドに展開し、ジョルディ・アルバがアレニャーとのワンツーパスで抜け出す。そして冷静沈着な折り返しをグリーズマンが右足でコントロールし、左足ボレーシュートをゴールネットに突き刺した。

 このディナモ・キエフ戦におけるチームのパフォーマンスと結果には、クーマン監督もニンマリである。「ハングリーなチームを見ることができた。4つのゴールを決めたうえで、重要な選手に休みを与えることもできた。若手選手たちは出場時間に値するプレーをしたと思う」と語った通り、ローテーションを敷いた狙いが見事にハマった。

 選手たちも与えられたチャンスを前向きに捉え、勝利を目指しながらも一生懸命にアピールしていたことだろう。

 これまでほとんど出番のなかったアレニャーは、「勝利できて嬉しい。まずはチームが重要だけれど、自分がサッカー選手であるとまた感じられるようになった」と今季公式戦初先発の喜びを語った。

 移籍も取りざたされるが、「ここにとどまるのが僕の考えだ。フィジカル的にもいい状態だし、バルサに残りたい。もしそれが自分しだいで決められるのなら、僕は一生ここにとどまるだろう」と、改めてポジション争いに挑んでいく決意を新たにしている。

 クーマン監督の就任早々に構想外を言い渡され、移籍を促されながらも残留したリキ・プッチにしても、今回のディナモ・キエフ戦で実戦感覚を取り戻せたことは大きいだろう。立場は厳しいが、毎日の練習に取り組めばチャンスはやってくる。この夏に22歳でバルサの一員となったものの、完全に蚊帳の外に追いやられていたマテウス・フェルナンデスにも同じことが言える。

 ディナモ・キエフ戦の後半途中からペドリに代わってデビューを果たした22歳のブラジル人MFは、ようやくバルサでの一歩を踏み出した。これまでラ・リーガでの出場歴がバジャドリー時代の3試合しかなく、今後も厳しい立場になるだろうが、CLにデビューできたことがまずは重要だ。

「大きな何かの始まり」となるか?

オスカル・ミンゲサ
【写真:Getty Images】

 6歳から在籍するバルサでようやくトップチームデビューを果たしたミンゲサは、試合後に「何年もやってきて、(デビューできて)本当に嬉しい。この世界最高のチームでデビューするのが夢だった」と喜びを語った。

「1週間ずっと、この時が来るんじゃないかと考えてきた。ナーバスになって気持ちが落ち込んだ時には、僕が何を背負ってプレーし、どんなに苦しんできたかを理解してくれている家族や妹、パートナー、親友、友だちのみんなのことを思い出した。今日が大きな何かの始まりであることを願っているよ」

 アトレティコ・マドリード戦で負傷したピケが今季中に復帰できない可能性もある中、貴重なセンターバックとしてミンゲサにかかる期待は大きい。

 これまでBチームでいくら頑張っても年下の選手にどんどん先を越されてしまい、焦りもあっただろう。今季限りでバルサとの契約が満了になることもあって、カンテラ出身の21歳はディナモ・キエフ戦がトップチームでの居場所を確保するためのラストチャンスと考えていたかもしれない。

 クーマン監督はミンゲサのパフォーマンスについて「彼は継続性をもたらすことができると思うし、今日それを示した。しかし、一生懸命に努力を続けなければならない。これまで5、6週間にわたって我々とともにトレーニングし、私にいい印象を与えた。彼はセンターバックで競争できることを示した」と高い評価を与えた。

 トップチームデビューとなった一戦が、まさに本人の言う通り「大きな何かの始まり」になるかもしれない。

 オランダ人指揮官は「オスカルは長年バルサに在籍していて、我々のやりたいことの概念をよく知っている。まだ改善の余地はあるが、試合を通して印象は良く、我々にとっても彼にとっても自信を持っていることが重要だ。彼は今週の日曜日にもプレーする可能性がある」と、ミンゲサの継続起用を示唆した。

 バルサはスペインに戻り、現地29日にオサスナとのリーグ戦に挑む。メッシやデ・ヨングが復帰してくる試合で、ディナモ・キエフ戦のチャンスを生かした選手たちがどれくらい起用されるだろうか。

 負傷者続出で選手層の薄さが懸念される中で重要なのは、若手や控え選手たちの「俺たちもやれるんだぞ!」と主張する貪欲さや、さらなる成長、それにともなうチーム力の底上げだ。メッシが戻ってきた時に、縮こまって小さくまとまってしまうようでは意味がない。

(文:舩木渉)

【了】

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