Sunday, January 12, 2020

なぜ香川では「あん餅雑煮」を食べるのか - 産経ニュース

講座で参加者が作ったあんもち雑煮。白みそ仕立てが伝統的なスタイル(手前右)=昨年12月、香川県宇多津町
講座で参加者が作ったあんもち雑煮。白みそ仕立てが伝統的なスタイル(手前右)=昨年12月、香川県宇多津町
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 丸餅か角餅か、白みそ仕立てかすまし仕立てか、具材は-。郷土色にあふれ、地域や家庭によって異なる雑煮だが、今年の正月も、香川県で食卓に上ったのは「あん餅雑煮」。白みそ仕立ての汁にあんこ入りの丸餅、金時ニンジン、ダイコンなどが入った一品だ。信じられない組み合わせかもしれないが、「あん餅雑煮を食べないと新年を迎えた気分にならない」という香川県民は多い。

「癖になる味」

 「あん餅雑煮は香川の郷土料理。県外の人には必ず『気持ち悪い』といわれるが、食べると癖になる味なんです」。昨年12月27日、香川短大(香川県宇多津町)で開かれた親子向けの料理教室。講師を務めた、生活文化学科食物栄養専攻の松永美恵子教授は、参加者にこう語りかけた。

雑煮に入った餅を割ると、あんが顔をのぞかせる=昨年12月、香川県宇多津町
雑煮に入った餅を割ると、あんが顔をのぞかせる=昨年12月、香川県宇多津町
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 あん餅雑煮のだしには、讃岐うどんのだしにも欠かせない「イリコ」を使う。イリコとはカタクチイワシの煮干しのことで、香川県では伊吹島(同県観音寺市)でとれたイリコが多く使われる。具材の金時ニンジンは、同県坂出市が産地として有名だ。

 だしで野菜をやわらかくなるまで煮た後、あん餅を入れる。餅がやわらかくなりすぎないよう注意しながら、白みそを溶き入れる。完成したら器に盛りつけ、青ノリをあしらう。

 具材の金時ニンジンは日の出を、大根は水鏡、青ノリは海を表現しているという。切り方にも意味があり、松永教授は「家族が仲良く円満に過ごせるようにという願いを込め、輪切りにする」と説明した。

雑煮に入れる金時ニンジンを切る男児=昨年12月、香川県宇多津町
雑煮に入れる金時ニンジンを切る男児=昨年12月、香川県宇多津町
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 あん餅雑煮が誕生したいわれも興味深い。香川の江戸時代の特産品は「讃岐三白(さんぱく)」と呼ばれる砂糖、塩、綿。砂糖は高級品だったため、松永教授によると「餅の中にあんこを隠して食べようと、あん餅雑煮が生まれたとされる」。

郷土料理受け継いで

 料理教室は香川短大と町教育委員会の共催で、親子や祖母と孫ら17組37人が参加した。松永教授から作り方や食材に含まれる栄養について説明を受けた後、グループごとに調理を開始。各グループには学生がついて作業を手伝い、およそ2時間で、あん餅雑煮のほか、ドライフルーツとナッツ入りの田作り▽ブリの照り焼き▽リンゴきんとん-の4品が完成した。

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