Monday, August 7, 2023

「何を食べるか」で未来の環境守れる ヴィーガンアスリートの宮島萌さん 完全菜食を選択肢に - 琉球新報デジタル

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「沖縄の自然を守りたいと思う人にヴィーガンという選択肢を持ってほしい」と話す宮島萌さん=7月28日、読谷村内

 ヴィーガン×ランナー×環境活動家―。食と環境のつながりを伝える子ども向けの講演やビーチクリーン活動に取り組むコミュニティー「U2―4琉球」の代表を務め、“ヴィーガンアスリート”として、ヴィーガン(完全菜食)の可能性を広める宮島萌さん(26)。「沖縄の自然を守りたいと思う人にヴィーガンという選択肢を持ってほしい」と笑顔を見せる。

 ―ヴィーガンになったきっかけは。

 「中学生から陸上をやっていて大学生の時にコーチからプラント(菜食)ベースの食事を勧められた。最初は『陸上で勝ちたい』との思いで始めた。そしてヴィーガンのパートナーに出会い、ヴィーガンは動物の生きる権利を考えて菜食を選ぶ人のことだと知った。畜産業界の裏側も学び、ヴィーガンになった」

 ―ヴィーガンアスリートは増えてきているのか。

 「バスケやテニスなど世界のトップアスリートにも増えている。野菜や果物は抗酸化作用が強く、回復が早い。豆や玄米などでタンパク質を取ることもできる。栄養の面でも問題はなく、回復が早い分練習もたくさんできる。ヴィーガンで世界チャンピオンになっている人もいる」

 ―食と環境のつながりを伝える講演を開催している。

 「例えば、牛のふんやえびの養殖に使用される薬剤がサンゴに悪影響を与えることがある。講演では『私たちは未来をよくするチャンスを3回持っている』との話をする。3回とは朝食、昼食、夕食のこと。何を食べるかの選択で未来の環境を守れる」

 ―沖縄を拠点に、子どもたちに伝える活動をしている理由は。

 「沖縄は自分のアイデンティティー。一番大切な場所を中心に世界に発信していきたい。しかし、このままだときれいな海は続かない。子どもたちはこれからの未来を生きる。日本を動かす人が誕生してほしいとの思いで、種まきをしている」

 ―ヴィーガン、ランナー、環境活動家と3つの顔を持っている。

 「それぞれの関心分野をきっかけに三つがつながっていることを知ってほしい。沖縄は自然が目で見える。守りたいという思いが芽生えやすい。ヴィーガンメニューのあるレストランは全国の中でも多い。マラソンは環境スポーツとも言われる。目指すところはどれも『未来をよくしたい』との思いだ」

 ―今後やりたいことは。

 「ヴィーガンについてのコンサルティングを担う会社の起業も考えている。ヴィーガンには固いイメージがある。楽しみながらヴィーガンや持続可能性について学べる機会を作りたい。エコマラソンを開催して、ゴール後にはビールで乾杯するなど面白い取り組みがしたい」
 (金盛文香)

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 みやじま・もえ 1997年生まれ。石垣市出身。中学、高校の駅伝で全国大会に出場。2021年に開催されたスパルタンレース(障害物レース)の18歳から24歳の部で優勝を飾る。この時に食事を菜食に変え、後にヴィーガンとなる。23年からビーチクリーンや子ども向けに環境問題の講演をするコミュニティー「U2―4琉球」を発足し代表を務める。


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