大谷翔平とロサンジェルス・エンジェルスが、まずは幸先のよいスタートを切った。 開幕後6試合を経た4月6日現在、チームは4勝2敗の数字を残している。ホワイトソックスと4連戦、アストロズと2連戦、ブルージェイズと4連戦。開幕直後の日程を見る限り、強敵相手のカードが続いて苦戦はまぬかれがたいと思われていたのだが、打線の好調もあって、予想以上の健闘だ。 【秘蔵写真】17歳の大谷が藤浪からホームランを打って超かわいい。ヤンチャそうなマー君やダルビッシュら名選手80人超が球児の頃 原動力のひとつは大谷翔平の復調だろう。 春季トレーニングでの爆発的打撃を見て期待が高まっていたことは事実だが、シーズンが開幕しても、その破壊力は弱まる兆しを見せない。 6試合での成績は、20打数6安打2本塁打。6三振はやや多いが、OPS=1.033は堂々たる数字だ。
“リアル二刀流”で放った初速115.2マイルの衝撃弾
とりわけ、本拠地の右中間に叩き込んだ第2号(4月4日の第1打席)本塁打は強烈だった。450フィートの飛距離や、バットがボールを叩きつぶしたのではないかと思わせる衝撃音も凄かったが、打球の初速はなんと115.2マイルに達していた。 これは、スタットキャストの計測数値が示されるようになってからだと、球団史上最速の数字だ(これまでの記録は、2018年6月11日にマイク・トラウトがバックスクリーン直撃弾を放ったときの115マイル)。本格的長距離打者という呼び名がふさわしい日本人大リーガーは、大谷が初めてではないか。 しかも大谷は、この試合(対ホワイトソックス戦)の先発投手と2番打者を兼ねていた。これまた異例の「歴史的快挙」だ。 まず、ひとりの選手が、時速100マイルを超える球を投げ、同じ試合で115マイルを超える打球を放ったケースは、大リーグ史上空前のできごとだ。強打を誇るメッツの剛球投手ノア・シンダーガードでさえ、打球の最高速度は110マイルに届いていない。 先発投手が2番打者を任されたケースも、1903年のジャック・ダンレヴィ(カーディナルス)以来だ。1902年には、セネタースのワッティ・リーも経験しているが、要するに20世紀以降では、大谷を含めて3人だけだ。 ア・リーグの投手で初回にホームランを打ったのは、68年のデイヴ・マクナリー(オリオールズ)以来初めてのケースだ。 ア・リーグのチーム同士の試合でホームランを打った投手は、72年のロリック・ハリソン(オリオールズ)以来だ。翌73年からは、ア・リーグでDH制が採用されている。 投手の打撃に関しては逸話が多いが、それは別の機会に譲ろう。いずれにせよ、DH制が採用されてからというもの、ア・リーグでは、自身の登板試合にヒットを打った投手すら珍しい。76年のケン・ブレット(ホワイトソックス)と2009年のアンディ・ソナンスタイン(レイズ)の名が、わずかに記録されているだけだ。 好打と好守備で鳴らしたジム・カート(ツインズなどで通算283勝/232安打)は、73年以降、ア・リーグではほとんど打席に立たなくなったし、生涯に7度ノーヒッターを達成したノーラン・ライアンも、27年間で通算2本の本塁打しか打てなかった。 一方、投手・大谷翔平は、やや不安を残す内容だった。4回3分の2で92球を投げて、失点3、自責点1。周知のとおり、野手の守備が乱れて不運な失点が重なり、勝ち投手の権利は逃してしまったが、100マイルを超える速球を9球も投げられたのは、やはり凡器ではない。 イェルミン・メルセデスやルイス・ロベルトから奪った三振は眼を見張らせるものだったし、90マイルを超えたときのスプリッターは、強力なウィニングショットだ。ただ、問題はスライダーの精度がいまひとつだったこと。これが改善され、もっと楽にカウントを稼げるようになれば、投球術は確実に向上すると思う。対戦相手の右打者を泳がせるシーンが増えるようなら、われわれ観客の楽しみもぐんと増すだろう。
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