2019年09月26日20時51分
【パリ時事】イラク戦争に反対して米国の単独行動主義に警鐘を鳴らすなど国際舞台で活躍し、親日家としても知られたフランス元大統領のジャック・シラク氏が26日、パリの自宅で死去した。86歳だった。家族がAFP通信に明らかにした。2016年に肺感染症で入院し、近年は闘病生活を送っていた。
パリ生まれ。エリート養成校の国立行政学院(ENA)を卒業し、34歳で国民議会(下院)議員に初当選。1974年、ジスカールデスタン政権の首相に就任した。社会党のミッテラン政権下の86~88年、2度目の首相を経験。フランス初の保革共存政権(コアビタシオン)を支えた。95年、3度目の挑戦で大統領の座を射止め、第5共和制(58年~)第5代大統領として計12年間トップに君臨した。
大統領就任直後、南太平洋で核実験を再開して国際社会の批判を浴び、翌96年1月に実験終結を宣言。03年の米主導のイラク戦争では反対の立場を貫き、国民から高い支持を集めた。
ただ、05年5月に欧州憲法条約批准の是非を問う国民投票を実施して否決されたことを機に、シラク氏の威信は急速に低下。07年5月に大統領を退任した。日本の文化や歴史への造詣が深く、大相撲の「フランス共和国大統領杯(シラク杯)」を創設するほどの相撲ファンでもあった。
74年に首相になった当時から行動力に定評があり「ブルドーザー」の異名を取った。97年には議会選で社会党が勝利し、大統領の立場でもコアビタシオンを経験している。
大統領退任後、パリ市長時代の架空雇用疑惑が浮上。第5共和制の大統領経験者として初めて刑事裁判にかけられ、11年12月、執行猶予付き禁錮2年の有罪判決を受けた。裁判で認知症を患っているとの医療鑑定が認められ、本人は最後まで法廷に姿を見せなかった。
2019-09-26 11:51:00Z
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019092601206&g=int
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